ティーンエイジ・ラスト

「ティーンエイジ・ラスト」

1996年、甲斐バンドが再結成されたこの年は最後まで慣れなかった大阪に住んでいた。
会社関係以外知り合いもいず、ボクは会社があったからまだよかったかもしれないど、生まれたばかりの子供を抱えて日常を過ごさなければならないカミさんが気になってた時期でもあった。
必死に日常を過ごすとでも言えばいいのかな。
そんな日常を過ごす中で、甲斐バンド再結成の動きなど知る由もなかった。
確か、この再結成の武道館公演の間際じゃなかったなあ、甲斐バンド再結成のことを知ったのはね。
しかも、TVのニュースとして。

ある日曜日子供を抱っこして、カミさんを連れて買い物に出かけて帰ろうとして、電気売り場を通りかかった時、武道館公演の模様がTVに映りだされていたのに気が付いた。
最後まで見るわけにもいかず、でも気になって・・・

この再結成劇の後なんだよね、甲斐バンドが久しぶりのシングルとして「ティーンエイジ・ラスト」を発表したことに気が付いたのは。
曲調とメロディラインは如何にも甲斐らしいと思いつつ、歌詞が気になった。

♪ 家族とか未来は重荷かい? 描いた愛がみえぬ苛立ち ♪

このフレーズが全てだった。
そのフレーズはそのまま自分にあてはまっていたし。
甲斐バンドが解散してから10年目での再結成は、当然のように聴き手も同様に歳を取ってる。
子供だった者たちが、一人前のようなことを言い出す、そんな時間でもあった。
そういうことを曲を通して言いたかったかもしれない、と勝手に解釈してた。
甲斐が丸くなったと思ったのは、この時からかもしれず、それでも突っかかっる様にしていた甲斐もそれだけ山あり谷ありの時間を経ていたということだろうと思う。

後に武道館公演の模様が「BIG NIGHT」というタイトルのビデオで発表されたけど、この曲の模様は何か得も言えぬ静けさみたいなものがあった。
聴き手は、ここをしっかり踏まえなければいけなかったんだと強く思ったもんだよ。

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