嘘-たわごと

懐かしき甲斐バンド、甲斐よしひろを振り返りながら、時を思う

荒野をくだって

あの頃~荒野をくだって5

「荒野をくだって」


よりよい日を夢見ながら 眠りにつくことがある
だけど沈んだままの心で いつも目をさます
寂しげなエンジンの音が 車の中にうずまき
真夜中 人影もない道を 俺は一人ゆく

荒野をくだって あかく焼き付いたあの
荒野をくだって 街境のハイウェイを西へ

二人を引き裂いたいくつかのつらい出来事を思いだす
美しい月がのぼってゆき 家に急ぐ車の流れ 
テールランプに浮かぶ闇 次の街につく前に
この痛みが消えてることを 俺は今でも願ってる

荒野をくだって あかく焼き付いたあの
荒野をくだって 街境のハイウェイを西へ
(作詞作曲;甲斐よしひろ)

1982年にこの曲を聴いたときは気だるそうに歌っていて、なんだか曲も持ち味が消えそうに感じてた。
翌年のGIGGIGだね、歌われる曲順もよかったし、ライブ会場の周辺とは裏腹のような歌詞が際立っていた。
本来のロックにおけるバラードはこうであってほしい、その願いが満載されていた。






和製ロック~その555


バラードというとギター1本にパーカッションを絡めて大人しく強く歌われる曲のように思っていた。

シングル「安奈」以降、そうした曲はすっかり影を潜め、ニューヨーク三部作の中では余計になくなっていった。
「BLUE LETTER」とか「ナイト・ウェイブ」はバラード調であってもバラードではなく、ダンスミックスの様なミディアムテンポの曲調で、これはこれで心地いい曲だった。
こうした曲の原曲は日本で書かれていたものをニューヨークでmixしていたものらしいけど、mixで長くいた時間の中でニューヨークにいた時間の中で書かれた曲かもしれない曲もあった。
アメリカ西海岸物語のような曲調は、アメリカ版ドリームみたいな世界を日本人が振れて曲にする赴きがあった。
「荒野をくだって」
この曲には日本にはないハードボイルド感が満載で、その路線に入りきったバンドの性格、果ては甲斐らしい節が満載だった。
パーカッションだけで曲は作れないだろうかという想いで書かれた「破れたハートを売り物に」と、意図してなくても同じ世界に入ったような「荒野をくだって」。
パーカッションと印象的で効果的だったサックス。
シンプルisベストという言葉がハマるような曲であったこの曲にきて、久しぶりにバラードが効けた気分になった。



スタジオとライブ~荒野をくだって4


荒れてる荒野を西に向かって、、、
このモチーフが、明確にハードボイルド路線となった甲斐バンドに似合っていた。

この曲の持ち味は気だるさではない。
この曲を書いた甲斐自身が最も誤解していたために、アルバム収録の出来はとにかく悪かった。
それでも曲自体の出来はよかったので、ライブで聞くことが滅茶苦茶楽しみであった時があった。
甲斐バンドでも甲斐ソロでも区別はなかったけど、屋内よりは屋外での演奏と歌われ方が似合っていた。
それは荒れた荒野を西に傾く太陽追うように西へ向かっていた風景を想像させられたからだと思う。





たわごと~荒野をくだって23

「荒野をくだって」

この曲についても、以前書いたけど、その想いは今も変わらない。

オリジナル甲斐バンドは、多分、ベースの長岡が脱退した時に終わっていたんだろう。
何かを為し得たい、、、その想いだけで、ここまで辿りついていたということかな。
自分が思った音を求めて、ニューヨークまで行って、そこで得たもの、、、虚無感。
様々なことの積み重ねが今の音であり、思い描いたものが得られなかったとしても、甲斐自身が言う甲斐バンドの終わりはここではない。
甲斐自身にそういう想いがあったから、この曲の歌われ方になったということはその時点で歌い手としては失格。
多分、長年経ってから甲斐が言いだしたことを思うと、純粋にそういう想いは思い違いだったかもしれない。
甲斐バンドにおいて最大のイベントだった「THE BIG GIG」の時の7この曲の歌いっぷりを思うと、ある意味心の中に一線を画してしまった人の歌いっぷりではない。

想いは長年経ってしまって思い返してみると、それは違うと言うことは本人じゃないから分からない。
でも、『虜/TORIKO』を作った時の想いは、求めていた音を作り上げる、新しい世界を作っていくことの始まりだったのだから、やっぱり解釈の違いであって思い違いだと思うな。
この曲を聴くと、そんなことまで思いが行ってしまうよ。





たわごと~荒野をくだって4

荒野をくだって

「荒野をくだって」

アルバム『虜/TORIKO』に収録されるこの曲は、好きじゃなかったりする。
せっかくの良いアレンジが、歌いこなしで台無しになってる。そんな感じがする。
荒野というイメージは、なにもアメリカナイズされたものでもなく、大都会の喧騒からもたらされるイメージもある。
いずれにしてもそこに漂いそうなのは、気怠さという感じにとったのかもしれず、それは間違いでもない。
ただ、『虜/TORIKO』に収録された曲は、気怠いというものではなく、ダルさが目立ってしまって、せっかくの曲の世界観が・・・と思う時、残念だなと感じてた。

ライブ『BIG GIG』が後にライブアルバムとして発表されたけど、断然こっちの方が良い。
あの時のライブシーンが浮かんでくる気配が濃厚で、当時はしばらくライブでは演奏され続けてた。
この曲がライブで取り上げられる瞬間は、薄く広がった霧に隠れたシーンが脳裏に広がって、その中にたたずんでいるような感覚がたまらなく好きだった。

薄暗いようで、そうとも違うはっきりしなさそうな感じの中に一つの灯りが・・・

甲斐バンド解散以降ほとんど生では聞いておらず、ロッキュメントで取り上げられたみたいだけど、参加してないんでこれは何とも言えない。
ただ、ロッキュメントで体験してみたかった曲の一つだなと思う。

しかし、意味深な歌い方には意味があったということは最近知った。
念願のアルバムを長い時間と凝縮された状況の中でようやくたどり着いた感覚・・・
そこには虚無感しかなかったと。

この曲はアルバム最終曲であると同時に、本来の甲斐バンド最終ナンバーだったかもしれないな。
けど、決して感心はしない。





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