アルバム『目線を上げろ』
大森さんが亡くなってから初めての甲斐バンド名義のこのアルバムは。アーティスト・クレジットは「甲斐バンド sometimes KAI YOSHIHIRO」になっていた。
アルバム『夏の轍』以来8年ぶりだったこともあって、この当時はそれなりに期待してた。
このアルバムが発表された時代は、世間が下を向きそうな事件が多発し、それに反比例するような取り組みだったけど、1曲1曲は曲の世界にハマりそうで、それなりに満足感があった。
ただ、このアルバムをベースとした曲のライブ演奏から出る要素もあり、演出もそうだったけど、甲斐バンドである必要はなかった感じがした。
『夏の轍』までの甲斐バンドとこのアルバムの甲斐バンドは別物、そんな感じが強かった。
だからsometimes KAI YOSHIHIROなんだろうけど。
オリジナルあり、セルフカバー、カバーありと様々な構成となったものの、斬新さは感じられず。
期待感とは距離感があったアルバムで、甲斐のアクの強さの方向性の違いと大森さんがいなくなってしまったことは甲斐バンドはもうできないということを強く意識させられた。