「甲斐バンドストーリー」
HERO(ヒーローになる時、それは今)
きんぽうげ
ガラスの動物園のテーマ
らせん階段
ポップコーンをほおばって
ダニーボーイに耳をふさいで (別ミックス)
Side-B
裏切りの街角
かりそめのスウィング
メモリー・グラス (別ミックス)
氷のくちびる (別テイク)
テレフォン・ノイローゼ
回バンドの名を認識したのは「HERO」だった。
あれだけ元旦にポスターやら曲が流れれば、いやでも目にするバンド名だった。
「裏切りの街角」や「氷のくちびる」は意識することなく、曲が印象に残ったものだったけど、はっきり意識したのは「HERO」が収録された当時の初のベスト盤「甲斐バンドストーリー」だった。
このアルバムが出た1979年、まだ高校生だったけど、その時の学校の数学の教師が甲斐バンドファンで、毎日授業の始まりでその名を聞かされたのは覚えてるね。
その声に順応したわけではなかったけど、逆に反発するようにアルバムで「HERO」を聞いてやるという想いだった。
こっちはまだファンまで行ってなくて、どちらかと言えばフォーク系を聴いていたけど、それとは異なるもう一つの世界に触れた気分だった。
フォークでも歌謡曲の世界でもない違和感が残った。
このアルバムについては、甲斐バンドのそれまでの曲とかアルバムを消化してないと、物足りなさが残ると思うけれど、後年改めて触れると唸るものが残った。
甲斐らしいこだわりが曲にもサウンド、アレンジにもしっかり残りつつ、まだ満足してないだろうという想いが強く残ったものだった。