嘘-たわごと

懐かしき甲斐バンド、甲斐よしひろを振り返りながら、時を思う

漂泊者/アウトロー

和製ロック~その365


自分の気を表現するということは、分かっていても難しい。
しかも、それでしっかり詞を書き、メロディをつけてその時の自分を押し出すように表現する。
「HERO」のヒットで自分たちが思うのとは別により注目を浴びる頃でも、ライブで自分を表現するやり方に変化はなく、しかし、ある意味生の自分を表現しかけた時期があった。
バンドメンバーでも特に甲斐は、結婚したときも本を出したりして想いを表現してたけど、離婚の時も感情としては荒れていただろうに、ライブを向上させるために自分の気を曲として書き上げていた。
それまでの哀愁とか今現在の瞬間を書いていたこととは別に、自分が迎えてしまった大きな試練に立ち向かうような感がどこかにあった。
境遇的にどこか反骨心はあったと思う。
少なくとも従順で素直ではない逆境に立ち向かおうとする気。
支えではないだろうけど、そういう時でも生きよう、生きるために立ち向かおうとしてた甲斐は、生の甲斐でもあった。
こういう自分気を書きこむことだけでも、和製ロックなんだけど、意外と少なかったと思う。
区切りではない大きな節目に書いた曲だからこそ、今に至るまで歌っているのかもしれない。
「漂泊者/アウトロー」はそういう状況においてもその気がはっきり聞こえた曲でもあった。
だから、コード進行が単純な曲だと評論されることに、そういうことは全く需要ではないというようなことを言っていたと思う。
和製ロックとは複雑なコード進行で聞き手を聴きこませて組事ではなく、どれだけ気を込められるのかということだったと思っていた。




レコードジャケット~漂泊者/アウトロー4

漂泊者/アウトロー

「漂泊者/アウトロー」

レコードジャケットとしては秀逸で、甲斐バンドメンバーが誰も出てこないところが曲の内容を象徴していた。

テレビドラマ『土曜ナナハン学園危機一髪』の主題歌として製作されたものの関係者用に作成されていたため当初B面収録曲はなかったと記憶している。
この当時甲斐バンドに対して持つイメージを思い切り引き上げていた曲で、テレビドラマとレコードジャケットがよくマッチしていた。

荒々し歌いこなしと曲の内容は、ハードロックそのもので、そこまで出て行ったかという印象が強かった。
曲のサビが絶叫型で、のちにシャウト型がリメイクされて出てきていたけど、絶叫型でないとこの曲の魅力は全くでない。

今にして思うと、心情はハードルをあげたものの、演奏とテンポ、アレンジが追い付いていなかった感が強い。
後年ニューヨークミックス三部作が出たり、後年リメイクされたということもあったけど、この曲を本格的に甲斐以外の手でアレンジしてみたらどうだったんだろうという密かな期待があった。
ライブで多用されているのも、甲斐の離婚間際の状況による心情が反映されていることは間違いないところ。



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たわごと~漂泊者/アウトロー4

漂泊者/アウトロー

「漂泊者/アウトロー」

この曲は2面性を持ってしまった。
往年の甲斐バンドから演奏され歌われていた曲と、2001年の再々結成以降のものと。
大人びた曲じゃなく、この曲は荒々しさが特徴だったのだから、前者がいいに決まってる。
それもこの曲が出てきたばかりの頃じゃなく、曲が出来て2,3年の頃の歌いっぷりが最高だったんじゃないのかな。
荒々しさが特徴としたけれど、その頃の演奏とアレンジは曲の特徴に追いついてはいなかった。
甲斐の歌いっぷりが見事で、演奏とアレンジのもう一つ感は見え隠れしながら、それが気にならなかった。
演奏としては、BIGGIGの頃が良かったと思うけど、それ以降は荒々しさが徐々になくなってた感じがしてた。
2001年以降の演奏など、歌いっぷりも含めて問題外。

この曲には歌い上げるのではなく、叫びを感じていたかった。
その叫びを演奏が追随するような、しかも若干の未完成感が理想かな。
だから、甲斐バンドのメンバーも3人態勢の頃の演奏がよく曲の特徴が出ていたのかもしれない。

どんな思いで歌ってるのか分からないけど、「HERO」と並んで封印して欲しかった曲でもあった。
時に思いついたように演奏され、歌われるのが最も似合ってたと思ってる。






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