悲しき恋の結末に ぬけがらのように 僕は傷ついた
火遊びの果ての あれは本気の恋
指環ひとつ残し 君は部屋を出ていった
抱かれても ひとつになりはしない心で 君は僕の腕の中に 嘘の涙流してた
あの時君が投げすてた愛のかけら
冷めたベッドに 拾い集めひとり抱けば
今夜も 氷のくちびるが僕を奪い ふたつの体の岸辺に
氷のくちびるが僕を奪い
波のように砕けては散る
悲しき歌の始まりは 追憶の中の夕暮れのカフェ
白い指が灯すキャンドルライト
炎はとけ 心変わりに流れていく
鏡に残したルージュの別れ言葉の影に 男にもたれた あの夜の君の姿があった
一輪ざしの こぼれたバラのように
夢のさめぎわの 仕打ちはむごく
今夜も 氷のくちびるが僕を奪い ふたつの体の岸辺に
氷のくちびるが僕を奪い
波のように砕けては散る
氷のくちびるが僕を奪い ふたつの体の岸辺に
氷のくちびるが僕を奪い
波のように砕けては散る
(作詞作曲:甲斐よしひろ)
リアルタイムで聞いたのではないと思う。
この曲が出たのが1977年だったのだから、その翌年だったのかもしれない。
高校受験に向けての勉強の最中、ラジオの深夜放送で流れてきたこの曲が忘れられない。
ライブでのこの曲のスタートであるドラムのインパクト、そして間奏でツインリードが始まる瞬間がこの曲のすべてだった。
要は曲のインパクトを伝え得るタイミングだったと思うけれど、メロディラインが素晴らしく、詞もしっかりドラマのような世界観を出していた。
ロックを志していた甲斐バンドが、すべてのタイミングがハマった初めての曲だったのかもしれない。
そして聴く側としてもようやくスタート地点に立てた感もあって、1979年の武道館ライブでの演奏は最高だった。