嘘-たわごと

懐かしき甲斐バンド、甲斐よしひろを振り返りながら、時を思う

夜のスワニー

あの頃~夜のスワニー4

「夜のスワニー」

シナモン・ティーにスプーン一杯 夜をおとした暑い午后
ほてった肌すべりおちる 秘密の汗と囁き
摩天楼のウィーク・エンド スワニーにいる女

あれから君はいなくなって 俺は途方にくれている
霧雨に抱き合った哀れな心が痛い
孤独なウィーク・エンド うつろなスワニーの夜

降りしきる雨の中 立ちつくした愛
君の意のまま操られる俺

シナモン・ティーにスプーン一杯 息をおとす めまいの午后
流れるように降りだした 悲しみはくり返し
飲みほしたティー・カップ スワニーにいる女

(作詞作曲:甲斐よしひろ)

アルバム『LOVEminusZERO』収録曲の中で、バンドメンバーが全員揃って演奏した数少ない曲の一つがこの曲だった。
それでいてバンドの曲というよりは甲斐ソロ用の曲の方が似合っていたと思ったのはこの曲が出た1986年ではなく、その2,3年後だった。
ギターとベースのみのシンプルアレンジが似合う曲調は、バンドでは無理だと思っていた。
後に甲斐がソロで取り組んだ本牧ライブでの演奏では、よくこの曲の味が出ていたと感じていた。





もう一つの主役~夜のスワニー5

「夜のスワニー」

この曲はアメリカのスワニー川がモチーフの一つだな。
バンドでこれだと思ったミキサーがアメリカにいたために、ニューヨーク三部作を作ったのが甲斐バンド終期。
一口にアメリカとかニューヨークと言っても、至る所に目が行き、足を運んでいたのかもしれない。
この曲の醸し出す雰囲気は、アメリカの河川付近の情景でないと出ないから和製ロックバンドの第一人者と言われた甲斐が書いた曲というのも意外性があるかもしれない。
しかし、自分だけではどうにもならず、追い求めているものがどこにあろうとそこへ向かって得ようとするのは、いかにも甲斐らしいと思ってた。

まだこの曲はライブで聞いたことがない。
でもそれでいい。
ライブでこの曲の持っている河川付近の情景というのが壊されてしまうのが、こわいからだ。





たわごと~夜のスワニー4

「夜のスワニー」

アルバムの中では、「悪夢」と並んでバンドが収録した曲。
今になって、バンドが一緒になって、、、などと聞かされると、興ざめすることがあるけれど、そこを割り引いてもこの曲の出来は気に入ってる。

NYナイズされたような詞ではあるけれど、詞の一つ一つや構成が良く、真新しいところもあってアルバム発売当時は好んで聞いてたね。

この曲だけではないけれど、アルバム一つ一つを意識した時、アルバムの最後に収録される曲はいつも印象的でいい曲しかない。
このアルバムはこういう結末かあ、という感じになるけれど、この曲も「野獣」から順を追ってしっかり聞いてくると味わいが深くなる。
そんな曲だった。





たわごと~夜のスワニー4

夜のスワニー

「夜のスワニー」

『LOVEminusZERO』という甲斐バンド最後のアルバムでは、求めたクウォリティが高すぎてバンドメンバーが全員そろって演奏されたのは、この曲と「悪夢」だけ。
でも、一つのバンドが成長という階段を登り、突き詰めていけば最後はそうなるだろうと思う。
常に上を向いて進化をしていくように歩んでいかなければ、プロのミュージシャンとは思えないから、当然のような帰結だった。
この時期の前後は甲斐の言葉が少ない割に、想像させるシチュエーションひゃざ衣料が多い上に、何十年も経ってから甲斐があれこれ言うから、いろんな話が出てきてしまう。
今現在の甲斐の言葉はいらないし、甲斐バンド解散劇というのは直接的な材料が転がっていないから様々な話が想像されるわけで、そこが楽しいと思うんだけどな。

『LOVEminusZERO』というあるアルバムが発表された喧騒のような時代。
内容はまるで異なるものの、やっぱり自分勝手なこの時代を生き抜かなければならない現代の喧騒。
こういう郷愁溢れて落ち着き加減の曲は、聴き手の心に優しく響いてくる。
ライブ向きではないこの曲は、『LOVEminusZERO』のプロモーションツアーでも演奏されなかったんじゃないのかな。
アルバム作成時、メンバー全員で演奏された数少ない曲の一つがライブ向きではないという皮肉のような位置。
これもバンドの進化がバンドのスタイルを変えていたのかもしれない。
多分、アメリカのスワニー川の畔を思い浮かべて書かれたようなこの曲は、その地を知らないと書けなかっただろうし、日本にはなかった情景だったかもしれない。

でも、この曲が醸し出す雰囲気が落ち着いていて、好きなんだよな。





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