ミッドナイト・プラス・ワン

「ミッドナイト・プラス・ワン」

12時1分と書いてミッドナイト・プラス・ワンと読む。
そういう曲なんだ。

深夜、時計の長い針と短い針が重なり、ほんのちょっとずれていくわずかな時は、前を振り返り思いにふける時間だった。
中学や高校受験の時は夢中になってそんな想いは沸き立たなかったけれど、いい大人になって間もない時、その時に憧れみたいなものがあった幼い頃を思い出していた。
それはまさしく大人の時間であり、凝縮された思いはそのわずかな時だけ振り返ることが許されている時のようだった。

こういうモチーフも、時代が反映されていたんだろうな。
今や国中が不夜城のように24時かね異業みたいな時には、モチーフにもならないけれど、それは何でもありの今の時代の方が不憫さを感じてしまう。
時への想いと憧れに似た感情は、とっても大事なことだと思う。
こういう部分を踏み外してしまうと、あらぬ方向へ行ってしまいそうな気分にもなる。

この曲は映画「イントレランス」上映に向けての提供曲だったけれど、それは映画好きだった甲斐独特の想いの表現だったかもしれない。
まだ大人になった年齢だったとは言え、こういう想いを抱いた甲斐への憧れがあった。
それは時を重く受け止める想いと重なっていたのかもしれない。