「ブラッディー・マリー」
酒の名を曲のタイトルに持ってくるところが、如何にも甲斐らしい。
この「ブラッディー・マリー」の後にもいくつか出てくるけど、どれも印象的。
この曲のサウンドは歌謡曲っぽいけど、リズムとテンポが良くて妙に気に行ってるね。
その割に、ロッキュメント以外でライブに取り上げられたことを聴いたことがないのは不思議な感じがする。
「ブラッディー・マリー」は、16世紀のイングランド女王、メアリー1世の異名に由来するといわれ、メアリーは即位後300人にも及ぶプロテスタントを処刑したことから、「血まみれメアリー」 と呼ばれ恐れられていたということがあるんだけど、そうした酒の名の由来みたいなものもきちんと曲の中で踏んでいることが素晴らしい。
トマトジュースとウォッカをベースにしたこのカクテルは、甘いイメージの中に毒というか苦みを感じるところにポイントがあるけれど、それを脳裏に残って仕方のない情愛と結び付けているようで、甲斐の言ってた恋愛のドロドロ感もここまで昇華してたと思うと、どこかたまらないものがある。
この曲で表現される世界は、どこか昭和の時代を感じるけど、それをいい感じのアップテンポとまとわりつくメロディが旨い具合に調和されて、知る人ぞ知る名曲の一つになってると思わせられる。