ナイトトリッパー : 嘘-たわごと

アルバムで聞いたときはそれほど感じなかった。
この曲名での横浜本牧ライブではこの曲は入ってなかったのは当然のこととして、そのライブ以降、ライブ参戦から遠ざかったものの甲斐のライブ活動については参戦してなければ雑誌で読むしかできなかった。
ここにきてその当時の模様の動画を垣間見ることが出来るようになって感じたのは、甲斐バンドの発足当時もそうだったように泥臭いライブのようだったこと。

甲斐がソロになって、思うと思わざる戸を問わず、泥臭いところから地道に始めないといけなかったんだよなあ、と思う。
甲斐バンドで名声を得、解散してもバンドの後追いされるのはリーダーだった甲斐の宿命みたいなことで地道に活動するのは難しかったと思うけれど、これがなければプロ活動家としての味は出なかった。

今の甲斐の姿を見たり、甲斐ソロ第1期の跡を思うと、それが実践されていたとは思わないけど、この曲の演奏にはそれを感じてしまい、意外と甲斐らしいと思ってしまうところもあった。

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「かりそめのスウィング」

ライブでの初体験は、甲斐バンド解散ツアー‟ＰＡＲＴＹ”でだった。
当然リアルタイムでこの曲は知らなかったものの、昔を辿っていったとき、初のヒット曲だった「裏切りの街角」に行き着き、次のシングルがこの曲だったと知った時、これだけよく方向転換ができるものだと思ったね。
イントロがキレイでシンプル、かつ印象的な出だしは印象的だった。
イントロと曲調が独特で、知る人ぞ知る曲という感じがし、でもこういう曲調とテンポを持つ曲は当時としてはかなり前衛的だと思ってた。
ヒット曲で作られてしまうイメージというのはこわい。
まったく異なるイメージが独り歩きをしてしまい、作り手と歌い手が別だったとしたらそれもアリだったかもしれないが、甲斐バンドはほとんど甲斐よしひろバンドに近いと思う時、かなりの痛手になっただろうと思ったからだ。
でも、こういう曲が書けていたということは、自分を見失うことなく、自分たちがいるべき場所を知ることができたということなんだろうと思う。

当初は好きな曲ではなかった。
まるで噛めば噛むほど味が出てきて、いつのまにかその世界に浸ってるということがよくあった。
だから、甲斐バンド解散ツアー‟ＰＡＲＴＹ”での演奏は、テンポがよくダンサブルであっても、どこか違うという印象があった。
面白いなと思ったのは、この曲は甲斐バンドの曲でありながら、しっかり味が出たのは甲斐バンドが解散し、甲斐がソロとなった時、企画的に行われた本牧ライブでの演奏だったと思う。
シンプルｉｓストロングな演奏は、ベースでの演奏がほとんどで、この方が味が出てるという感じが強かった。
面白くて、とにかく聞きまくり見まくったビデオ・ナイトトリッパーでの模様。
ビデオは擦り切れてもうないけど、この曲は特に記憶に残ってるね。