嘘-たわごと

懐かしき甲斐バンド、甲斐よしひろを振り返りながら、時を思う

甲斐よしひろ

たわごと~アルバム『エゴイスト』3

エゴイスト

アルバム『エゴイスト』

様々な要素が含まれていたアルバムだった。
個人的に前作『Chaos』がお気に入りだったこともあって、一口にロックといってもそれまでのものとは次元の異なる世界で演じていくものだと思っていた。
ところが、、、

それまでのロック調、アコースティックが似合いそうなもの、他への提供曲のカバーもあれば、セルフカバーもあった。
様々な要素とやり口で、自分にはまだそれまで見せてない世界もあるということを見せつけているようにも感じた。
それはある種、バンド回顧主義への抵抗のようにも見え、またこのアルバムにまつわるライブ模様を思っても今までのことは置いといても自分がやりたいことを作り上げているようにも思えた。

きっと、ここまでの甲斐を見てきた人には大きな抵抗があったと思う。
御多分に漏れず、自分もそうだった。

次へのステップなど予想もできないこのアルバムは、もっと基本的に泥臭くやり長けてもそうではないところまで来てしまったということだったのかもしれない。



たわごと~TWO MOON JUNKTION3

「TWO MOON JUNKTION」

この曲のフルバージョンは、今だ聴いたことがない。
シングルで当時のレコードのB面にライブバージョンが収録されているらしいけど、今となっては聞こうとする興味はない。

2つの月が交わるとき、、、不吉な感じ満載のこの曲のタイトルは、どこかの映画から持ってきてたような気がする。
多分、この時は明らかに甲斐は次へのステップを考え、それまでと全く次元のことをお考えていたんだろう。
バンドを気にせず、まったく別の世界のこと。
それは、多分誰も気づかなかったんだろう。

だから、このタイルルなんだろうし、それは全く読めないことだったので不気味さが増していた。





たわごと~エゴイスト3

「エゴイスト」

この曲というかこの曲がタイトルとなるアルバムの頃は、個人的なことから甲斐から離れ始めていた。
特に甲斐を聞かなくなったとかということではなく、あくまで個人的な理由で。

だから、よく曲を聴いてる時間的な余裕もない時代だったかもしれず、ライブに至っては遠ざかっていたような気がする。
甲斐はこの曲の後、驚くような変貌を遂げていくのだけれど、この曲の意味を深く知ろうとすればそれは感じられたのかもしれない。
意味深な曲。
この曲が出て、時が経った後に感じることが多くなった。
利己主義ということだけど、そういうことではなくやりたいことをやる、それが正しいかどうかは別として。
そういうことだったのかもしれない。





たわごと~女たち3

「女たち」

♪ 俺は 広いこの窓から、世界が通り過ぎるのを見てきた ♪
というフレーズがこの曲にはある。

以前も今も、このフレーズが甲斐の眼が何処を向いていたのかを物語っている気がしてた。

「レッドスター」もそうだったけど、この時の甲斐は実に世界をよく見てたと思う。
自らを取り巻く状況もよく見、自分の想いとの乖離を感じていたとはず。

それがこの曲が出た時の動きであり、その後の動きにも影響を与えていた。

曲としては地味かもしれない。
だけど、その詞は味わいがあるものだった。





たわごと~シンパシー3

「シンパシー」

ソロアルバムも3枚目微なった時、それでもバンドを望む声は多かったかもしれない。
いったん解散したものがおいそれとまたやるとは思えず、この時点での甲斐は今と違ってそういう方向への匂いは全くしなかった。
アルバム『Chaos』が出た頃は、新境地を見出し実践してるようで、様々な取り組みを見せて、これがソロかと思わせた。
きっと、バンドを望む声というのは、スタッフに多かったんだろう。
メンバーの肉体的な問題を無視してたようで、本当にそんな声があったとしたら、許せない気持ちも湧いてしまう。

まさしく利己主義的なアルバム『エゴイスト』は、そういう状況に置かれた甲斐の声だったかもしれない。
そんな中でも、自分をわかってくれる声を望んでいたかもしれない。
そうしたことの象徴の様な曲が、この曲だった。






たわごと~炎5

「炎」

この曲も、横浜本牧で行われたライブ「Night Tripper A・G・LIVE・AT・THE APOLLO」では最高の印象を与えてくれた。

バンド最後のアルバムとなった『Repeat&Fade』で培われた流れは、この曲まで続いていたような気がする。
そして甲斐のソロ第1期はここで終わった。
いや、バンド時代に培われた甲斐の印象は、ここで止まった気もしてる。
でも、この曲はそうしたことを問題にしない位、作り手の甲斐が気づかないほどいい印象を残してくれた。

何処だったか、この曲は実話から作られたと言うことを聴いた。
それが本当何かは分らないけど、ステージやアルバム製作において聴き手や自分の想いの為に音作り、曲作りをしてたところ、方向性が変わった気もしてた。
曲作りの要素なんて、想い次第でどこにあったっていい。
それは決して落ち着くということではないけれど、刺激はあらゆる面から得られるもの。
そこにはロックもフォークもなく、想いを曲に込めるという根幹は外してはいなかった。

この曲については、「Night Tripper A・G・LIVE・AT・THE APOLLO」での演奏しか、ライブ演奏は知らない。
この時のギターワークが良かったと記憶している。
またライブで、、、という想いもどこかにあった。
でも、叶わぬ夢みたいなことに現を抜かしている気にはならなくなった。





たわごと~嘘-たわごと5

Night Tripper A・G・LIVE・AT・THE APOLLO

「嘘-たわごと」

アルバム『エゴイスト』発売前に横浜本牧で行われたライブ「Night Tripper A・G・LIVE・AT・THE APOLLO」。
実にいいタイミングで内容の濃い良いライブだった。
甲斐のバンド時代から今日に至るまで、最高のライブだった。
選曲もよく、シンプルでいいアレンジで、その模様は何度見ても飽きが来なかった。
最近になるまでビデオはあってもDVDがなかったのは、このライブの模様をライブで切り取ることに意味があったからだと思うけれど、それでもDVDでの発表は心待ちにしていたんだ。

タイトルさえもなかった「炎」もいい。
それと同じくらい、見入って聞き入ってしまったのが「嘘-たわごと」だった。

この曲は田中一郎のソロデビューへの提供曲だった。
多分この頃からだろう、提供曲を自分のアレンジでやってみようとした試みは。

映像でのカットも言うことなく、曲としての魅力も十分だった。
この曲に世界に入り込んだような甲斐のボーカルが染み入ってきていた。
多分、この曲は聴覚と視覚、両方に訴えかけていたことで魅力が上がったに違いない。

この本牧ライブでの演奏以外、ライブでは体感したことがないけれど、それでもいい。
この時の本牧ライブの演奏だけで、これ以上望むものはないからだ。





たわごと~無法者の愛5

「無法者の愛」

バンド時代のアルバム『虜/TORIKO』は、当時の感覚で言えばLPレコードであったため、A面とB面があり、それぞれが異なる世界を作っていた。
特にB面はその感覚に馴染むまで聞き込まなければいけなかったけど、でもいろんな経験を踏んで様々な考えは浮かんでは消えていく中でその感覚に馴染んでいった。
このアルバムの2つの世界観は、意外と興味深いものだったけれど、シングル化されたりPVが作られたりしたけど違和感が残る曲があった。
それは「無法者の愛」。

この曲だけが異色であり、アルバム全体からしてもどこか浮いていてアレンジには不満に近いものがあった。


当時ソロになっても甲斐はセルフカバーには正式に取り組んで製作することがなかった。
だから、予想もしなかったけれど、アルバム『エゴイスト』の中にこの曲を見つけた時同名異曲なのかとさえ思った。

アルバム『虜/TORIKO』での曲についていた不満みたいなものが払しょくされていた。
バンドに拘り過ぎる者にとっては異論はあるだろうが、曲自体の詞から出てくる世界観は圧倒的にアルバム『エゴイスト』収録の方が良いに決まってる。
そんな感じだった。
曲としての魅力とでも言えばいいのだろうか。
この曲の原曲を聴いたミキサーはアレンジに迷ったのかもしれない。
その迷いがあった次のミキサーが、その点をよく理解していい曲の世界を作ってくれたものだと思う。
ただ、ソロ仕様であることは確かなんだけど。

この曲を聴こうとする時、ほとんど『虜/TORIKO』収録の方を聴くことはない。
圧倒的にアルバム『エゴイスト』収録の方だし、そこには本来の甲斐の世界が広がっていた。





たわごと~NIGHT TRIPPER3

「NIGHT TRIPPER」

横浜本牧で行われたA.G.GIGは「NIGHT TRIPPER」という名が施されていたけれど、その後発売された曲とはどんな関係があったのだろう。

踊り狂うようなイメージがこの曲にある通り、とてもダンサブルではあるけれど、甲斐にダンスが旨いというイメージはない。
スウィングとかよく言われるけど、甲斐がバンドであろうがソロであろうがこれだけアクが強ければ、一般にダンスには結びつかない。

流れに身を任すと言うことについては、なるほどと思うことは多々あって、これをスウィングするという意味で言ってたのかもしれない。
でもダンスではない。

この曲はアップテンポで行ってたと思ったら、急にシャウトしたりで展開が予想付かないところに味があった。
甲斐らしいと言えばそうだけど、世間受けはしない。
なぜシングルカットしたかについては疑問が残った。

ライブハウスとか小さめの会場では、その魅力が発揮できていたかもしれないな。





たわごと~スウィート・スムース・ステイトメント2

スウィート・スムース・ステイトメント


「スウィート・スムース・ステイトメント」

この曲はアルバムの先行シングルだった。
だけど、何故シングル、しかもアルバム先行シングルだったのか分からないまま。

この曲の詞についてはいつも通りだと思ったんだけど、曲調というかアレンジが軽すぎてテンポが遅い感じもあって、肩透かしを見事に喰らってしまった感じがあった。

随分と時が経った今でもそう。

だから、聞いてない、何年も。
この曲が出てきた時の時代背景も良くなかったことも大きな要因だった・





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