Repeat&Fade

アルバム『Repeat&Fade』

メンバー個々が作った12インチシングルの集合体が、アルバム『Repeat&Fadeだった。
こういう作品はアルバムと呼べるんだろうか、、、という疑問もあったけど、キーとなったのは各メンバーはその個性を生かしたものを作りながらも甲斐バンドの上に成り立っていたこと、それと甲斐以外のメンバーの作品の一つに甲斐が絡んでいたということで、なんとかアルバムとしてつながりがあったというものだった。

『虜』、『GOLD』『LOVEminusZERO』をボブ・クリアマウンテンがミックスしたことで新境地を切り開き、発展して行ったところに新しい味が出てきて、さらに昇華したのがこのアルバムでもあった。

しかも、甲斐プロジェクトは前曲カバー。

これだけでも当時かなり度肝を抜かれた感じだったけれど、各メンバーの個性を改めて認識できたことと甲斐を見つめ直すことについては、ストレートなショックを受けていた。

アルバム『らいむらいと』を7思い返す必要はなかったかもしれない。
それは極端すぎるとしても、階段を登ることで成長の跡を見せ、新たな世界を見せてきたバンドが、各メンバーの個性を再認識させることで更なる世界を見せてくれたことは、バンドのそれまでの変遷を踏まえているととにかく嬉しかった想いがあった。

こういう展開は、だれも予想できなかっただろうし、そういうところへの展開はバンド解散を意識した甲斐ならではのことではあったけど、メンバー個々が作った12インチシングルの集合体としてのアルバムであったもののそうしたこと以上に完成度が高かったアルバムだった。