「マッスル」
後期甲斐バンドの中では、メチャクチャ好きでお気に入りの曲だった。
郷愁の世界からハードボイルドへの転換は、バンドの中にそういうエッセンスがそこかしこに見受けられていたからハマったという感じで、その代表曲のようだった。
ライブ「THE BIG GIG」は当時の新譜『GOLD/黄金』からの曲が多かったけど、何故か「マッスル」は演奏されなかった。
まだバンドのファンに成り立ての頃、「THE BIG GIG」が終えた後、しばらくライブを吟味してた時、何故この曲をやらなかったのだろうと不思議な気持ちになってた。
ライブのラインナップとして、ライブの趣に合わなかったのかとも思ったけど、アーティストが新譜を発表し、その後にイベントをやる時、新譜からのナンバーを入れないなってことは考えられなかった、
1983年だか84年の年末ツアーの時は、軽くMCを入れた後、「THE BIG GIG」ではやらなかった曲を、、、と言ってこの曲が演奏された。
バンドの曲はライブの時、一緒の歌うのが常だけど、その時の「マッスル」は、呆気に取られた感じになって歌うことなくステージを見つめていた。
最高の演奏と歌われっぷりだった。
バンド解散時のPARTYツアーで、この曲は取りあげられるんじゃないかと思ってたけど、それもなかった。
何故かつい最近になるまで、バンドスタイルでの演奏がなかったのが不思議な感じを強くしていた。
甲斐がソロになった時、この曲をバラード調でやったことがあった。
そういうアプローチもあるんだなとは思ったけど、それもバンドスタイルの演奏があったればのこと。
この曲には詞の紡ぎ方で、様々な演奏方法があるんだと思ったけど、そういうのは基本があったればの話。
不遇で貴重な曲にしてしまったのは、作り手書き手の甲斐自身。
見事にハードボイルドエッセンスが満載となってるのに、敢えてなのかそこに目を瞑ってしまってる。
この曲は今でも好きでお気に入り。
その時のバンドのイメージを強くしてたからね。
でも、この曲を扱う甲斐はその逆だな。
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