フィンガー

「フィンガー」

この曲はシングル「暁の終列車」のB面に収録されていた。
「暁の終列車」自体、「BLUE LETTER」の前のシングル曲であり、しかもそのB面だったからアルバム『虜/TORIKO』に収録されたのは意外だった。
新しいアルバムと思えば、収録曲は新曲というのが建前だったからね。
でも、今にして思えば「観覧車」が「観覧車82」になったようなこともあったから、当初発表されたいた「フィンガー」には、その時どうしても描こうとする世界が描き切れてなかったところがあったんだろうね。

「フィンガー」は「呪縛の夜」と同様、ジャジーナンバーだけど、より以上にダークでいて艶っぽい曲だった。
この曲自体ライブ体験はないけれど、ロッキュメントでの演奏はテンポが速くなっているものの、曲の持ってる雰囲気が良く表現されていて、こういう狭い会場の薄明りの中でやるべき曲なんだろうな。

アルバム『虜/TORIKO』にはあんまりライブで取りあげられていない曲がある。
「虜」もそうだし、「呪縛の夜」もそうだった。
この頃のバンドはスタジアムツアーを目指して実践していた時代だったけど、「フィンガー」も含めてライブハウスのような会場でやった方が、思い切り味が出る曲なんだろうと思うね。