ブライトン・ロック

「ブライトン・ロック」

初めてのライブが「THE BIG GIG」だったから、ライブのオープニングというとこの曲だった。
その後のライブでもほとんどこの曲で始まっていたのだから、この曲でないと、、、という想いも強かった。

野卑に溢れ、一つのところで治まり切れない、いや治まれない雰囲気のあるこの曲は、歌詞的にもメロディ的にも魅力たっぷりの曲だった。
もともとハードボイルド的な要素はあったけれど、詞的には「破れたハートを売り物に」の頃から本格化しかけていたものが、エモーショナル的なものがこの曲ではその延長上とか比喩とかいうものではなく、そこからかけ離れて別の世界を作っていた。

一般にロックというイメージ的なものがしっかり描かれ、素をを飾るメロディやアレンジがピタリと来る感じだった。

1986年の甲斐バンド解散や1996年の復活劇の時に一部のファンで言われたこういう世界の曲をまたやってほしいという声は、自分もそう思っていた位に憧れていた。

この曲はバンドありきの曲ではない。
ソロでも聴き栄えがしっかりしており、甲斐の音楽的センスが最も表に出た曲ではないだろうか。

この曲をどうアレンジし、味付けしていくのかでその時の甲斐の状況が分かるのかもしれなかった。
ライブオープニングというと「きんぽうげ」とこの曲。
だけど、情緒的なものを求めると「きんぽうげ」だろうし、野卑でr都会的なものだとこの曲になるだろうけど、当時のんバンドの成長を感じたいのなら、やっぱりこの曲になるだろう。
それでもなお、この曲には当時まだ階段を登れる要素が隠されていた。