「マッスル」

この曲は圧倒的にスタジオ録音の方がいい。
だって、ライブでまともに演奏されたのって1983年武道館ライブだけなのだから。
甲斐バンド時代、的も演奏されず、ソロ期にファンクアップでバラード調にアレンジされて演奏されていたけど、それだけにしてほしかった。

甲斐バンドがはっきりとハードボイルド路線に入ってからは、この曲が最もその路線に合い、独特のうねりも色合いもそれの沿った演奏もピタリと北曲はなかった。
この曲が収められたアルバム『黄金/GOLD』は、『LOVEmaunusZERO』に行くまでの過渡期と評した評論家もいたけど、この曲に限っては極みだったと思う。
作り手は甲斐自身だけど。もっとも曲の魅力を分かっていたかったのは甲斐自身で、聞き手の方がよくわかっていたという珍しい曲。
最近になって仕方がないような感じでライブ演奏されたけど、往年の輝きは失われたままだった。

ライブでしっかり気がこもって演奏するなり、歌われることってもうないだろうな。
だって、この曲のうねりは故。大森さんじゃないと出ないもの。