階段は登るだけのものではない。
時として躓き、そしてまた一段上に上がろうとする。
そんな姿は、誰かしら見てるものだと思うからファンでもいられる。
そのファン向けに、そして高見に登ろうとする自分たちの姿を綴ってみたら、こういう曲になったと言うことかもしれない。

人に見られてどうかとか、人に聞かれてどうかとか言うことは、アーティストとかミュージシャンにとっては大事なことなんだろうけど、人は皆ステージに上がろうとして様々なドラマを生む。
ステージに上がって謳歌する者もいれば、そうでなく思ってたこととは裏腹になってしまう者だっている。
結果ではなく、そこに至るまでの経過・経緯が大事なことで、どれだけ充実してたのかという事が問われているような気もする。
社会に出れば結果という人も多いだろうけど、実はどうやってそこまで行けたのかという事が後に響いてくるんだ。
甲斐バンドの軌跡というか足跡と余韻が唄われたこの曲は、ライブよりも家でじっくりか歓声のないところでじっくり生歌とかいうシチュエーションで聞き入りたかった。

以前はチケットを購入するにしても店に並ぶとか、電話だけで撮ろうとしていた時代もあった。
バンドのライブに参加したいという気でいたけど、そこに至るまでのそうしたチケット購入の経緯も懐かしく、それがあったからこそ、充実させようとしていたバンドのライブには感謝していたんだ。
良いこともよくないこともいろいろあった1986年までの甲斐バンドライブ。
リアルが最もだけど、振り返るにしても想いだけで振り返りたいという気をはっきりさせてくれた曲でもあった。