破れたハートを売り物に
ライブはBIGGIGが初めてだったけど、ボクの原点は「破れたハートを売り物に」だった。
アルバムそのものもそうだけど、その代表曲としての曲。
高校を卒業した3月のとある日、友人の家に集まってた時、このアルバムに触れた。
特のこの曲、飾りのない独特のうねりと引き込まれるような感じは何処から来るのだろうと思って、友人そっちのけで何回も聴いてた。

やっぱり、「生きることを 素晴らしいと思いたい お前と行きたい 一人ぼっちはいやだ」このフレーズに心を持っていかれていたんだと思う。
それから数年、BIGGIGのラストを聴いた時、すぐにあの曲だと思って、ライブ終了後、レンタルレコードで過去の甲斐バンドの曲を探しまくる日々が続く始まりとなった。
自活する貧乏学生のボクにとっては、アルバムを買うまでは至らず。レンタルするのが精一杯だったこの時代。
この曲を聴いてるだけで、胸がいっぱいになった。
結婚するとき、子供ができた時の喜びの原点は、この曲のあのフレーズが原点だったと思う。
この曲に触れて、今日に至るまでの心の支えになってた曲で、本当に大事な曲だった。
だから、最初のアルバム発表以降、何度もリメイクされて再販されてたけど、原曲だけが「破れたハートを売り物に」と思ってたので見向きもしなかった。
シンプルイズベスト。
それがメッセージ性を高め、独特のうねりが印象度を高めることで記憶にズーっと残っていた。

人生いい時もあれば辛い時もある。
そんな時はこの曲だと思った時代が多かった。
だから、こんなに演奏され続けることが辛く、この曲の持つ純度が薄まっていくのが辛いと思ってた時期もあった。
原曲のこの曲とリメイクされて以降のこの曲は別物。
もう記憶の世界にだけ、しっかり残っている。