嘘-たわごと

懐かしき甲斐バンド、甲斐よしひろを振り返りながら、時を思う

たわごと~クール・イブニング4

「クール・イブニング」

もう随分と時間が経ってしまったけれど、甲斐バンド解散前にはNHKFMで甲斐はラジオ番組をやっていた。
バンドの曲調とステージ上のイメージがまるで違ってたという二面性が面白くて、バンド終期にはよく聞いていたよ。

もっと話してもいいのに、、、それはバンド解散前のこと。
そんなことを思いつつ、ラジオを聞いてると、話しぶりがよくいい意味で響いてきてた。
しかも選曲が良かったし、自分たちのアピールもしっかりしてた。

そんな心の拠り所みたいになってたこの番組のオープニング曲、エンディング曲は今でもよく覚えてるよ。
このクールなイメージの曲は何だろうと思ってた「クール・イブニング」

バンドの匂いが全くしない、クールなイメージが経つ割りに一本芯が通っているようなこの曲はいつも気になってた。
ラジオで流れる曲のエアチェック。
今は死語のようになってるけど、以前はよく行われていた。
当然のようにこの曲もそんなことをしたな。

甲斐がソロになって出たアルバムにしっかり収録されていたけれど、やっとまともに聴けるという意味では嬉しかった。
裏声のように感じてしまう曲の展開も、それまで見られなかったことだし、こういう都会を感じる落ち着きもここまでなかったと思う。

今でもじっくり聞くことの多いこの曲。
当時はやっとたどり着いた感があったのと、ここでこの曲を表舞台に出すことは次のアルバムの世界まで影響してたんじゃないのかと思うと、バンドは解散してもその要素的なことは息づいてる感じがして、どこかで嬉しい感じがしてた。





たわごと~電光石火BABY3


「電光石火BABY」

甲斐よしひろソロ第1段がこの曲。
ソロ名義でのカバーアルバムはあったものの、オリジナルとなればこの曲がシングルとしては初だった。
ただ、甲斐バンドが解散を控えていたとはいえ、正式に解散しておらず、甲斐バンド末期にバンド名義のアルバムと同時並行で作られていたらしい。
ただ、ソロとして出出るにあたって、いきなり表舞台へ躍り出る意識が強く、その時点で完成してた曲の中から選ばれていたような気がする。

PVも作られたし、そんなにダンスとしての踊りというより、気持ちが身体を動かしていた甲斐がこういうPVを製作していたのは面白いと同時に、その意気込みだったかもしれない。

曲としては大した曲ではなかったけれど、入れ込み具合がすごくて、よく音楽番組で放映されると聞くとそれ見たさにその時間まで帰宅すると言うこともあったな。
今のように動画の時代ではなかったからね。

この時のソロデビューへの意気込みが、随分と時が経った今でも時にステージで取り上げられるということに繋がっているのだろうと思う。





たわごと~BLUE CITY4

「BLUE CITY」

この曲は詞が好きだった。
都会の中に起こるドラマのような詞の展開であり、当時全盛だったハードボイルド感がタップリで。

‟美しい悲劇 なんてあるわけがない。欲しいものを手に入れるため みんな汗みどろだ”

なんていうフレーズはまさしくその通りだと思ったし、これも時代なのかな、詞を現実に置き換えて考えてみたりもしたけれど、今はそういう味のない時代になってる。

時代を読む、そして歌う姿勢は、バンドが解散し、ソロになっても息づいていた。
それがうれしかった。

この曲は近藤真彦への提供曲だけど、曲自体の位置が高すぎて提供曲としては出来過ぎの感が強い。
甲斐の施したアレンジは、曲の持ち味と方向性を示そうとしたんだろうけど、多分ほんとに難しかったと思う。
この曲を聴いて甲斐らしいと思いつつ、まだアレンジが馴染んでなかった感覚も漂っていた。





たわごと~イエロー・キャブ5


「イエローキャブ」

甲斐バンドの解散は実感としてなかった。
聞き手となってまだ時が経ってなかったからだと思うけど、1986年の解散ツアーに参戦してもどこかで分かってるつもりながら、まだどこかで続くものだという想いがあったのかもしれない。
でもその年の12月を迎えて、そこで初めて甲斐バンドはないんだということを実感していたのかもしれない。
当然のように、それまで恒例となっていた武道館公演がないと思った時、やっと実感できたのかもしれない。

その代わりではなかったけれど、同じような時期にJAPAN AIDが行われ、甲斐がソロで参加というニュースを聞いた。
この頃、自分はまだ社会人1年生でもあり、JAPAN AIDには参加できなかった。
その模様は深夜TVで放映されていたと思うけれど、必死に見ようとした記憶がある。
そこで初めて触れた曲、「イエローキャブ」。
この時はそれほど思わなかったのだけど、それまでのバンド模様とは色合いが変わっていた。
翌年、アルバム『ストレート・ライフ』が発表される前まで、あの曲は、、、ということで記憶に残っていた。

当時はビデオはあったものの、動画を録画するというところまで気が行ってなかった。
だけどハードボイルド感は確かにあった。
今も当時もこれが無かったら甲斐ではないと思ってたから、それを失っていなかったことが嬉しかったんだ。

強烈なドラムで始まるこの曲は、今聞いても色あせず、甲斐ならではの発想とアレンジだったと思う。
そこから一つの物語が始まっていくのだけど、そこにはそれまでのハードボイルド感の表現の変化もあった。
確かに、この曲を甲斐バンドでやるとは考えにくい。
ソロだからこそのアレンジと表現方法があったことに気づくのは時間がかかったけど、この曲がソロとしての0(ゼロ)からの始まりになっていれば、もっと良かったはずだ。

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たわごと~バンドの旬と「翼あるもの」5



思うに甲斐バンドって、「HERO」の前と後とに分けるように語られることがあるけれど、個人的にはアルバム『破れたハートを売り物に』が発表された後とその前に分けた方が良いのかもしれないと思ってる。
曲自体の変遷が変わっていったのもこの頃からだけど、そこには好みの問題もあるだろう。
けど、この時以降、甲斐のボーカルには艶っぽさが出てきて只のかすれ声じゃなくなtってたし、いわゆる声の頃が仕方が良くなってた。

バンドの演奏自体は、ライブ「BIG GIG」の演奏自体は実に充実してたと思ってる。
ハードボイルド路線がお気に入りだったためか、甲斐のボーカルがしっかり演奏に乗っかっていた感じがし、それにはハードボイルド感があった方がいいんだろうと思っていたから尚更だった。
一度、ハードボイルド路線に入り込んで、そこから改めて郷愁や牧歌的要素に立ち返る。
いわゆる織り交ぜ効果だけど、その押し引きがボーカルも演奏も生き生きとして、またそれができるレベルまで階段を登っていたということになる。

人は加齢ももちろんそうだけど、旬な時期ってあるものだ。
それまでの過程と取り組み方で、まるで違う存在になっちゃうけど、甲斐バンドはそういう意味でアルバム『破れたハートを売り物に』からその域に入り、ライブ「BIG GIG」から解散に至るまでの間が最も旬だった。
演奏自体は、解散ツアーPARTYを迎える直前までだったような感じがするけれど、それはライブ演奏も打ち込み系のものとなっていたから捉えづらいものがある。

その象徴が「翼あるもの」だった。
ライブ「BIG GIG」での演奏と歌いこなし、解散ツアーPARTYでの演奏と歌いこなしは甲乙つけがたいもので旬を感じる絶妙のエンターテインメインとだったけど、内容はまるで異なるものだったことがミソだった。
これ以上の歌いこなしと演奏は、その後見ることは出来なかった。
当然のようにバンドは解散し、甲斐ソロとなっての「翼あるもの」は別のもの。
甲斐ソロを感じるのか、そこにバンドを求めるのかで意味合いは全く異なってくるのだけど、現実としてバンドは解散したのだから、前者をどう感じるのかに行かないと、何も見えてこない状況になっていた。
だから、バンドの演奏をするにしてもアレンジに関しては苦しんだのじゃないかと思ってた。

でもあれだな。
今の自堕落な姿は、この頃からすると想像するなんて本人ですら出来なかっただろうな。





たわごと~アルバム『Repeat&Fade』5

Repeat&Fade

アルバム『Repeat&Fade』

メンバー個々が作った12インチシングルの集合体が、アルバム『Repeat&Fadeだった。
こういう作品はアルバムと呼べるんだろうか、、、という疑問もあったけど、キーとなったのは各メンバーはその個性を生かしたものを作りながらも甲斐バンドの上に成り立っていたこと、それと甲斐以外のメンバーの作品の一つに甲斐が絡んでいたということで、なんとかアルバムとしてつながりがあったというものだった。

『虜』、『GOLD』『LOVEminusZERO』をボブ・クリアマウンテンがミックスしたことで新境地を切り開き、発展して行ったところに新しい味が出てきて、さらに昇華したのがこのアルバムでもあった。

しかも、甲斐プロジェクトは前曲カバー。

これだけでも当時かなり度肝を抜かれた感じだったけれど、各メンバーの個性を改めて認識できたことと甲斐を見つめ直すことについては、ストレートなショックを受けていた。

アルバム『らいむらいと』を7思い返す必要はなかったかもしれない。
それは極端すぎるとしても、階段を登ることで成長の跡を見せ、新たな世界を見せてきたバンドが、各メンバーの個性を再認識させることで更なる世界を見せてくれたことは、バンドのそれまでの変遷を踏まえているととにかく嬉しかった想いがあった。

こういう展開は、だれも予想できなかっただろうし、そういうところへの展開はバンド解散を意識した甲斐ならではのことではあったけど、メンバー個々が作った12インチシングルの集合体としてのアルバムであったもののそうしたこと以上に完成度が高かったアルバムだった。





たわごと~ALL DOWN THE LINE〜25時の追跡3

「ALL DOWN THE LINE〜25時の追跡」

大森さんの「25時の追跡」に、速攻で詞をつけたのがこの曲。

当時のバンドやメンバーが、ハードボイルドの真只中にいて、ハマっていたのかが分かりそう。
ちょっときついかなと思いつつ、敢えてその世界観を突き詰めようとしていたことは間違いではなかった。
この曲のエッセンスを思う時、これもバンドの演奏ではないにせよ、一つの到達点だったかもしれない。

出来るわけないのだけど、曲と詞を別々に堪能したい、そう思ったのは大森さんが初めに「25時の追跡」で、聴き手の度肝を抜いたためだったかもしれず、詞と曲を共に吟味することなど到底無理だと思ってる。






たわごと~天使(エンジェル)5

「天使(エンジェル)」

バンドを聴くようになったのが遅れていたため、どのアルバムにも収録されていなかった「天使(エンジェル)」を知ったのは、結構後になってからだった。
多分、バンドの解散が発表された1986年の3月頃。
この頃は大学の卒業旅行として九州一周ということで旅してたけど、不意に下車した大分は別府の、港に立つ別府タワーだったことはよく覚えてる。
観覧席にジュークボックスがあり、甲斐バンドでは何故かこの曲だけが見つかった。
この曲は当時知らなかったので、興味津々で聴いたけど、当時の印象は良くなかった。
詞は面白いし、メロディもそこそこと思ったけど、なんせアレンジが、、、

そこからリメイクされたこの曲は、雲泥の差があった。
何ともノスタルジックで昭和初期の匂いがした原曲は、再アレンジが施されたことでポップでキレのいい曲に生まれ変わっていた。
同じ曲なのに、アレンジでここまで感じ方が変わるとは思わなかったというのが率直な感想で、今でもリメイクが施された曲はお気に入りの一曲になってる。

甲斐というテリトリーで思えばこういうアレンジも十分アリなんだろうけど、バンドというテリトリーにはいれることは出来ず、そこにはこの曲にはバンド臭さは不要ということが現れていた。
アルバム『Repeat&Fade』は、バンドでありながらその上に立つ各メンバーの個性が際立つという意味では、この曲ほどその特徴fが出た曲はなかったと思う。
まさしくタイムリーな曲だった。





たわごと~オクトーバー・ムーン5

「オクトーバー・ムーン」

この曲も提供曲のカバーだった。

甲斐という人は甲斐バンド向けの曲、自分自身への曲、そして提供曲と状況を変えて曲の色合いを思った以上に変えている。
この曲のリアル当時ではやっぱり甲斐バンドのイメージが強かったためか、この曲の持っていた色合いや特徴は想像できなかった。
提供するその先の匂いを大事にしたんだろうが、確かにバンド向けの曲ではなかった。
バンドでニューヨーク3部作を作っていた終盤、甲斐がソロでアルバムを作っていたことはよく噂されていた。
この曲を大事にしようとするのだったら、提供曲ではなく自分だけに向けての曲であってほしかった。

単にこういう世界を演じる言葉が選べるんだというものと、そのいくつも七辺られた言葉のニュアンスと色合いを高揚させるためのアレンジ能力がこんなにも高かったのかという感じが強く感じられたことを覚えてる。
少なくとも甲斐バンドの変遷を踏まえてきた者にとっては、想像できなかった世界が作られていた。
バンドの成長という階段は、甲斐個人にとっても同じだったようで、カバーアルバム『翼あるもの』からは想像できない位に飛躍していた能力と可能性が感じられた。

アルバム『Repeat&Fade』からはアレンジャーはそれまでのボブ・クリアマウンテンから変わってたけど、正にそれもタイムリーなことだった。
名曲は詞、メロディ、テンポとアレンジがしっかり絡み合って初めて出てくるものだし、歌いこなしも重要な要素。
この曲はその全てがハマっていた。

ライブでは聞いたこともないし、取りあげられた話もきいたことがない。
でも、曲の魅力を大事にするなら取りあげないでいて欲しい。
この曲が出た1986年の頃の味わいは、あの時だけのものだから。






たわごと~ハート4

「ハート」

この曲は高樹澪への提供曲『ハート~降っても晴れても~』だった曲をセルフカバーしたもの。
でも、リアルでバンドと向き合ってた頃は、そんなことも知らなかった。
けど、知らなかったことが幸いしたように、一郎プロジェクトでこれでもかと言うくらい一郎の世界に浸っていた間隔が、いい意味で肩透かしを食らったような気分になれた。
ニューヨーク3部作は皆色合いが違う。
最後で都市型甲斐バンドを見せられ、上り詰めた感があったその先に来る曲としても同じような感覚があった。
なんだ、まだやれるじゃないかという錯覚にも似たこの感覚は、この曲がセルフカバーであったことを知らなかったが故にという気がしてる。

しかし、天使(エンジェル)がリメイクだったことに端を発し、この曲がセルフカバーであったことはすぐに分かっていくことになるけれど、それでも初めて聴いた時のその感覚は変わらなかった。

曲の中の歌詞に、「いっちょうらの愛」とか「いっちょうらの涙」というフレーズが出てきたのが印象的で、軽くカツンと来るような詞が多いのもこの曲の特徴で、甲斐がソロを演じる上で肩の力が抜けて小気味いい感じがあった。
 
なんだか、甲斐プロジェクトも面白そうと思ったのは、当然のようにこの曲が入り口となっていた。





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