嘘-たわごと

懐かしき甲斐バンド、甲斐よしひろを振り返りながら、時を思う

たわごと~東京の冷たい壁にもたれて5

東京の冷たい壁にもたれて
「東京の冷たい壁にもたれて」

甲斐バンドを体験し、貪るように過去のアルバムを遡って聞いた時、アルバム『英雄と悪漢』まで行き着いた。
もちろん、お目当ての「ポップコーンをほおばって」のスタジオ録音のものに興味があったわけだけど、それとは別にとにかく気になったのが、「東京の冷たい壁にもたれて」だった。

その何年か前に大学受験で上京した時、東京という場所の奥深さと広さを感じて、初め街が怖いと感じてた。
田舎者ということもあったし、状況したときは浪人していて、自分のアパートと予備校の往復ではあったけれど、得体のしれないところだということは感じてて新宿から南の方には行けなかった。
まあ、浪人だから遊ぶなんてもってのほかではあったけれど、それでも暗闇に引き込まれそうな感じはあった。
甲斐は多分、この曲は上京してから書いた曲なんだろうと思う。
デビュー前は福岡に致し、コンテストで一時的に東京に出てきたことはあったにせよ、それだけでこの曲は書けなかっただろうと思うからだ。
状況前の恋人がモチーフなんて言われてる向きもあるけれどm¥、歌詞を読んでるとどこか違うものを感じる。
甲斐バンドとは・・・というイメージにようなものを懸命に表現するため、甲斐の頭の中で描かれた東京という印象と思い、そこに恋愛のエッセンスを巻き込んでワールドを作り上げた、という感じかな。
まったく無縁ではないだろうけど、まだ二十歳にもならないこ怖いもの知らずの男が、これまた幼い恋人に向けてこんな詩が書けるというイメージがない。
しかし、上京して自分の姿を曲を書こうとしたとき、東京という街の冷たさ、高さ、厚さみたいなものはいい具合に表現されている。

1984年の武道館公演だったかな、初めてライブで体験したのは。
これも東京に馴染んで都会化してしまった甲斐バンドは、実はこんなところに原点の一つがあったんだという感じがして、記憶に残っている。

たわごと~マッスル5

GOLD

「マッスル」

ボクが初めてライブに行ったのはBIGGIGだと何度も書いたけど、そのライブは当時の最新アルバムであった『GOLD』からの選曲が多かった。
当時はそんなことも知らず、ライブ終了後の数年は甲斐バンドのアルバムをむさぼるように聞き込んでいたことを思い出す。
ライブでの観客へのインタビューを聴いて、そうだよなと思ったのはアルバム『GOLD』の珠玉の曲は「マッスル」だったということ。
この1983年の年末に行われた武道館公演だったのか、翌年の武道館公演だったのかは思い出せないけど。この曲はBIGGIGで演ってない曲だと前置きして、武道館公演の終盤で演奏された。
これだよ・・・そう思った。
骨太なイメージもあり、野卑なイメージとハードボイルド的エッセンスがあった甲斐バンドでは、これまでなかったことが不思議になる位、似合ってた曲だと感じていた。
この演奏で、これからしばらく演奏されるだろうと感じた感覚は、見事なまでに裏切られ、甲斐バンドが解散して甲斐よしひろがソロになったあるライブで、なんとバラード調にアレンジされて歌われた。
バカなことすんなよ、甲斐の感覚も思い切り歪んだな・・・
そう感じて、このライブ以降、何年も甲斐関係のライブには見向きもしなくなった。


 人は心の生きもの。
頼り頼られ、それでいて自分をしっかり持っていないと風船のようにどこかへ飛んで行ってしまう生き物なのであり、それでいて精神的になかなか安定しない。
思うようにならないのが心情そのものなのであり、だからこそ生きてることに面白味を感じるのだけれど、硬く硬く揺らぐことない心情というのはどこかで夢見ていたいと思うもの。
そんなことを「マッスル」を聴いていると感じるんだ。

これは甲斐バンドを聴き始めた頃も今も変わっちゃいない。
変わってしまったのは甲斐バンド、甲斐よしひろであり、数年前「マッスル」をやっと原曲アレンジでやったけれど、歯が浮きそうな演奏で曲に隠された魅力など、微塵もなかった。

しかし、この曲は個人的に思い入れが相当強い曲だ。
もう脳裏に焼き付いてしまい、話されないような1曲になってる。
それでいいんだということも、どこかで思ってるんだ。


たわごと~破れたハートを売り物に5

破れたハートを売り物に
ライブはBIGGIGが初めてだったけど、ボクの原点は「破れたハートを売り物に」だった。
アルバムそのものもそうだけど、その代表曲としての曲。
高校を卒業した3月のとある日、友人の家に集まってた時、このアルバムに触れた。
特のこの曲、飾りのない独特のうねりと引き込まれるような感じは何処から来るのだろうと思って、友人そっちのけで何回も聴いてた。

やっぱり、「生きることを 素晴らしいと思いたい お前と行きたい 一人ぼっちはいやだ」このフレーズに心を持っていかれていたんだと思う。
それから数年、BIGGIGのラストを聴いた時、すぐにあの曲だと思って、ライブ終了後、レンタルレコードで過去の甲斐バンドの曲を探しまくる日々が続く始まりとなった。
自活する貧乏学生のボクにとっては、アルバムを買うまでは至らず。レンタルするのが精一杯だったこの時代。
この曲を聴いてるだけで、胸がいっぱいになった。
結婚するとき、子供ができた時の喜びの原点は、この曲のあのフレーズが原点だったと思う。
この曲に触れて、今日に至るまでの心の支えになってた曲で、本当に大事な曲だった。
だから、最初のアルバム発表以降、何度もリメイクされて再販されてたけど、原曲だけが「破れたハートを売り物に」と思ってたので見向きもしなかった。
シンプルイズベスト。
それがメッセージ性を高め、独特のうねりが印象度を高めることで記憶にズーっと残っていた。

人生いい時もあれば辛い時もある。
そんな時はこの曲だと思った時代が多かった。
だから、こんなに演奏され続けることが辛く、この曲の持つ純度が薄まっていくのが辛いと思ってた時期もあった。
原曲のこの曲とリメイクされて以降のこの曲は別物。
もう記憶の世界にだけ、しっかり残っている。

たわごと~ポップコーンをほおばって5

ポップコーンをほおばって





















「ポップコーンをほおばって」

時が経っても、どんな時代になっても心に響いた意味がホンモノならば、その曲も持ってた意味は変わらない。
ボクにとっては、それが「ポップコーンをほおばって」だった。
自分の子供に障碍があると分かって、目の前にシャッターがいきなり落ちてきた時からなんとか陽が差し込もうとしたときも、この曲の「僕等は飛べない鳥じゃなかったはず 翼を広げたら きっと飛べたんだ 僕らは飛べない鳥じゃなかったはず」といフレーズが忘れられなかった、、、いや、頭の中でリフレインしていたと言ってもいいかもしれなかった。
両親が親としての役目を果たそうにもできなくなったボクの学生時代。
なんとか自活していかなきゃいけなくなったときも、この曲が支えになっていた。

ボクが甲斐バンドのライブに初めて参戦したのは、当時の新宿都有5号地ゾーンで行われたイベント「BIG GIG」だった。
「敗れたハートを売り物に」と「ダイナマイトが150㌧」以外は何も知らずにいたボクにとって、この曲はグングン胸の中に入ってきた曲でもあった。

 曲とライブ位しか甲斐に関する体験がないから、甲斐的なことなど語れない。
けれど、個人的にここまできて思うのは、甲斐バンド、甲斐よしひろというのは20世紀までのアーティストであって、今の時代に生きてるものじゃない。
21世紀になって甲斐バンドの名を語るものは全くの別物であり、それまでのものと同じと考えてはいけないと思う。
気が付いたのはここ5,6年位だけど、それでもまだ迷いはあった。
今はもう記憶の中に生きるものだと思ってるし、特に曲に関する想いはボク個人の財産だと思ってる。

この曲は、テンポもリズムもいいし、ライブにおけるライティングにも実に味があっていい。
甲斐バンドの曲であり甲斐よしひろソロの曲でもあるこの曲。
でも、ボクにとっては強烈なメッセージソングだったんだ。

たわごと~そばかすの天使

そばかすの天使















「そばかすの天使」
この曲が収められたアルバム『この夜にさよなら』は、最も歌謡曲の世界に近寄った感じのアレンジがなされてしまったアルバムだった。
まだはともかく、甲斐バンドの曲の世界を分かってなかったような時期には、最も取っ付きやすい感じもしたけれど、この当時甲斐がよく言ってた“ロック詩人になりたい”という詞の世界はともかく、音的には甲斐自身もどこを向いていいのか分かっていなかった感じが強い。
けど、それだからこそ詞の織りなす世界は、アクが強いがあって独特のものがあった。

この曲はその一つ・・・というか代表的でもあるんだけど、場末の映画館で上映される映画のワンシーンのようでもあった。
シングル曲でもあったから、ここまでそんな感じにしなくても・・・というよりシングルにすべき曲ではなかったかもしれない。
知る人ぞ知るといった感じのような世界観は、結構好きで、そういう魅力を大っぴらにする必要はなかったかも・・・という感じかな。
それでもこの曲は、確か内藤やす子に向けて書かれた曲という側面もあったし、深夜帯によく流されていたから、こういう世界をもっと前面に出したかったかもしれない。

確か、この曲は新宿ゴールデン街に繰り出していた甲斐が、タクシーに乗り込む際に出来た曲だったんじゃなかったかな。
確かに、渋谷、新宿という大きな町を舞台にした曲でもなく、渋谷の「門」や新宿ゴールデン街というイメージには似合った感じがあって、そこがまた何とも言えない感じが連想されていたんじゃないかと思える。

後に甲斐がソロになって、横浜本牧ライブで取り上げたことがあった。
基本的にベースが主体のその時のアレンジは、この曲の魅力を引き出すには最適で、何度も何度も聞き入っていたな。


たわごと~氷のくちびる

氷のくちびる

「氷のくちびる」

甲斐バンドを聴くようになる以前の高校時代、この曲は時に深夜ラジオで流れていた記憶があった。なんというか、物語性がある曲だなと感じて、頭の隅にその思いが残っていた。

甲斐バンドでのライブ演奏は、この曲から「ポップコーンをほおばって」の組み合わせで始まり、後に「翼あるもの」、「漂泊者/アウトロー」という流れになっていったけど、この曲のイントロが奏でられるとライブも本編の架橋に差し掛かったという想いを抱き、それは重要な曲だったと思う。

ライブ演奏は多分ベストアルバム『甲斐バンドストーリー』に収められたものだと思うけれど、それまでライブ演奏してたアレンジを正式にレコードに落としたものがそれだったという感じで、ボクが深夜ラジオで聞いてたのはイントロがなく、いきなり歌い出しで始まるアルバム『この夜にさよなら』のものだったから、それにかなり細かく重層に手を入れた存在感を強めたものとなっていた。

リズムとテンポの取りずらい曲で、演奏に合わせて序盤に手拍子なんかを入れると、曲自体の味わいが無茶苦茶になり、甲斐自身も時にラジオでその点を言ってたね。

個人的には好きな曲であることは確かで、味わい深い物語性のある曲だと思うんだけど、甲斐バンドの数少ない盲点でもあるドラムのパワーが感じられない象徴の様な曲でもあった。ライブ演奏をビデオなりアルバムなりで聴き直してみても、そこがどうしても気になってしまう。

最近のライブで押尾コータローとのジョイントでは、その点が別の意味で解消されたことには、驚くしかなかったね。

たわごと~イエローキャブ

イエローキャブ

「イエローキャブ」

 甲斐バンド解散後のソロ甲斐としてのデビューは「電光石火BABY」だけど、その前にジャパンエイドに招かれていた甲斐が、最初に歌ったのがこの曲だった。

ジャパンエイドには行けなかったけど、その模様は深夜にTV放映され、ようやく手に入れていた初めてのビデオで録画し、よく見聞きしてたね。

何と言ってもこの曲はイントロのドラムが印象的で、あれで曲の世界に持っていかれてしまったという感じだった。

甲斐バンド時代、唯一と言ってもいいかもしれない物足りなさは、ドラムのパワーだった。リズムを刻む店舗には天性のものを感じてたけど、如何せん、生業がギタリストであったドラマーにパワーを求める方が無理なことだった。

ジャパンエイドではドラム担当はノナヘンドリックスだったかな、その外国人ドラマーだったこともあってその不満は消えるどころかお釣りが来るほど痺れたけど、アルバム『ストレート・ライフ』に収録されたものは、誰がドラマーだったんだろう。 

この曲で印象的なのは、ライブ演奏をするとき、あれだけ盛大に歌って叫んでいた観客が、この曲のドラムでのイントロが終わっても歌うことが少なく、呆気にとられたように静寂感を出していたこと。

この曲がソロデビューだったら、解散した甲斐バンドと甲斐ソロは全く異なるとしっかり印象付けられたかもしれず、そういう意味では大事なソロとしての出発点を誤っていたかもしれない。この曲で甲斐バンドを追いかけはしないだろうということかな。

この曲には同名のビデオもあったけど、免許を持たない甲斐がタクシードライバーに扮していたことには似合わず笑えたな。

たわごと~東京の一夜

東京の一夜

「東京の一夜」
リアルタイムで知ることもなかったこの曲。
初めて行ったライブ「BIG GIG」でこの曲が演奏された時も知る由もなかったけど、それまでキャーキャーワーワーと騒いでいたオーディエンスが、一瞬・・・までも行かなかったかもしれないけど、瞬時の静寂みたいなものがあって、それが驚きに変わっていったシーンは意外と覚えてる。
「BIG GIG」は、その時の新譜『GOLD』からの選曲が多く、その中でこの曲が異才を放っていた感じはよく感じられた。
ライブアルバム『「BIG GIG」』と同時だったか後にだったかは分からないけど、ライブシングルとしてこの曲が発売され、ランキングを上がっていったのは良いものは良いと言ってるように思えたものだ。
大体にして、東京副都心のど真ん中で盛大なライブ=GIGが行われたこと自体、奇跡のようなことだったけど、この曲が演奏されたのは今でいうサプライズみたいなものだけど、全く的を得た選曲だった。
何か昔の曲をやるそうだとは友人から聞いていたけれど、ライブ会場が新宿だっただけに「新宿」だと思っている向きも多かったようだけど、この曲で歌われる ♪東京の一夜は、この町で過ごす1年のよう♪ という1フレーズが、見事に実に的を得ていた。
そんな具合に思えたんだ。

もう、自分も東京に出てきて30年以上経った。
ほんの数年、大阪に住んだこともあったけど、都会の喧騒は時の流れを早めてしまい、だけどその感覚を失わせるものがある。
東京とそれ以外のところの時の流れの速さは、異なるモノで時についていけなくなることも多い。
そんな時、原曲ではなく、ライブで演奏されたこの曲が実に心のどこかに効いて来るんだよ。

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たわごと~嘘-たわごと

本牧ライブ

「嘘-たわごと」という曲は、甲斐バンド解散後、田中一郎に向けて書かれた曲だったと記憶してる。
田中一郎の『IN』というアルバムに収められたこの曲は、誰がどうアレンジしたのかわからないけど、まったく耳に残らなかった。
田中一郎には合わなかったと思うしね。
多分その直後だと思うけど、今無き横浜・本牧アポロシアターでA.G.GIGが行われ、まだ甲斐は自分のアルバムに収めてもいないのに、この曲を取り上げた。
このライブに参戦することは叶わなかったけど、白黒ビデオでのライブ模様は擦り切れるほど見た。
この後、本牧ライブで行われた同じ曲目と曲順で新宿厚生年金ホールでライブが行われたけど、こういうトリッキーなライブはやるべきではなかった。
この時ほどがっかりしたこともなかったけど、本牧ライブは意表を突くようで素晴らしいものだった。
特にこの曲。
映像も素晴らしかったけど、なんといってもこの時のアレンジが素晴らしかったし、甲斐の歌いこなしも実に良かったと思ってる。
この曲は甲斐ソロ第1期だから、流れを追っていくと当然の帰結だったかもしれない。
曲を書いた人がシンガーで、アレンジャーなら、その曲の魅力を引き出すことに長けているのは当然の事。
これ以降、この曲が演奏されたことはないと思うけど、それは当然の事だ。
むやみに徒党を組むようなら、この曲の魅力を見失ってしまったことに等しい。

あれはあの時のことだから・・・

どこかで聞いたことがあるような言葉だけど、この曲にも当てはまる。





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