嘘-たわごと

懐かしき甲斐バンド、甲斐よしひろを振り返りながら、時を思う

たわごと~昨日のように4

「昨日のように」

「ポップコーンをほおばって」と同時期、甲斐よしひろがまだ17歳の頃に書かれたこの曲。
甲斐のそれまでの歩み、しかもその歳まで描かれてしまった生い立ちが凝縮され、男女の恋愛というか一方的におもちゃにされてしまった女に置き換えて書かれている。

確か、甲斐が幼い頃、父親の夜逃げがあって、、、ということがあったと思う。
甲斐の音楽の原点や想いというのはこの父親によってもたらされたところが大きく、いろんなジャンルの様々な曲を聞いてきたのも、父親の作っていた環境が大きく影響している。
その中での夜逃げという事態。
巻き込まれた家族は、ピンとこず、その後の事態の展開によって夜逃げという事態の大きさと様々な思いが渦巻いてくる。
自分も夜逃げ体験者だから、そうした甲斐の状況に思うところはあるけれど、そこに溢れ返るような音楽という世界が広がっていたから救いがあったように思えた。

一言で言えば身体も心もおもちゃにされた女がいて、おもちゃにされながらも事態を別の目で見つめることが出来、しかし逃げようがない状況が作っていく心情を曲にしたためたと思うけど、若干17歳にしてこういう詞が書けるのは驚き。
実に良く書けていて、プロデビュー2年目の時期まででないと曲として発表できなかった背景があったかもしれない。
この曲がお気に入りとか好きだとか言う人は、紋切り型の詞の構成と曲のアレンジに気がいっていて、実はこの曲で歌われている詞の向こう側に隠れていることを理解してはいないと思う。
理解しようもないけれど。






たわごと~かりそめのスウィング24

かりそめのスウィング①

「かりそめのスウィング」

この曲の出だしに「クリスマスに、、、」というWordがあるから、よくクリスマスソングの一つみたいにいわれることがある。
けれど、この曲はそうではなく、ざわつく街並みと人混み、その漂う不安定さがクリスマスの時期は特に顕著になるということで曲のタイトルに“かりそめ”と入ってることだと思ってる。
まさしく一つの区切りみたいな時期だけど、そこを転回点にして、男女のもつれあいに感じる恋愛模様を歌ってる曲だと理解してきた。
イントロのバイオリンは、誰もが思わないようなものだし、ベースが効いててバイオリンの音色とカットギターが印象的に浮かび上がってくる。
特に曲を通して底地になってるがまさしくベースで、ベースがなければ成り立っていなかった。
間奏のカットギターも印象的となり、前曲「裏切りの街角」からの展開とは思えなかった。

一時の不安定な時期に、もがくが如く誰もが揺れ動いてる、、、スウィングというんだろうか、甲斐はこのWordがお気に入りだね。

曲的に目を見張るものがあるけれど、なかなか耳の止まりそうもない曲で、じっくり一つ一つの音やWord、フレーズを噛みしめていかないと、分からない世界がそこに転がっている。

♪ かじかんだ手はポケットに うずくまってた ♪

このフレーズが気に入って、聴き続けてる曲でもあるんだよ。





たわごと~狂った夜3

狂った夜

「狂った夜」

アルバム『英雄と悪漢』のタイトル曲と言ってもいいこの曲。
それでも当初はこのアルバムの中で最も注目してなかった曲だった。

詞を読んでるとこういう勧善懲悪じゃないけど、物事を二分するような詞の書き方は若くないと書けない。
英雄と悪漢という分け方みたいなことは、若さの特権だろうと思う。
だから余計に自分が若かった頃に触れたこの曲には、心が反比例したかのように耳を傾けなかったのかもしれないな。

様々な紆余曲折を経て結構な世代になった時、こういう曲に触れると若さっていいと思ってしまう。
ムシャクシャした気分を吹っ飛ばす夜があったっていいと思うけど、若さがないと吹き飛ばせない。
♪ 明日はもういいよ
 嘘だらけの世の中
 今日だけを生きるよ ♪
なんていうフレーズは、怖いもの知らずの若さの特権みたいなもの。
悪漢と英雄という切込みのフレーズから、このフレーズに至る流れは、明日はまだいいよなんて言いながらまだ迷いがあるみたいに感じられ、それが生きてる人の想いなんだよ、と言っていそう。






たわごと~風が唄った日3

風が唄った日

「風が唄った日」

2年前に行われた「甲斐バンドシンフォニー」で、最もこの曲は取りあげられるだろうという予想があった。
まあ、原曲を聞いてただけでもそれは分るというもの。
特にこの曲を然程聞いてなくても、昔、この曲が収録されたアルバムに触れていただけでも分かりそうだった。

アルバムを作ろうとするとき、曲のアレンジをどうするかということに目が行くと思うけど、『英湯と悪漢』の作成においてそのアレンジが曲の壮大さを生み出そうとする感じが出ていて、多分初めてアレンジの大切さとハマり具合がよかった曲だっただろうと思う。
ロックを志して・・・この曲でもその想いは伝わってくる。
ストリングスが効いて、甲斐がいかにいろんなジャンルの曲を多数聞いてきたのかが表現できてるといった感じ。

♪ どんな小さなものでも すぐにこの手に
 拾い上げねば 怒りの鐘はいつ鳴り響く ♪

このフレーズを歌いたくて詞の構成も曲調もアレンジも紡ぎあげていったんだろうけど、でもこの当時、ロックというジャンルが日本には馴染んでおらず、フォーク等で席巻されてた業界では評価される向きは少なかったんだろうな。
知る人ぞ知る・・・そんな第1歩目立ったのかもしれない。






たわごと~裏切りの街角4

裏切りの街角

「裏切りの街角」

今時の改札は便利になったけど、物語のキーワードになったりしない妙義の薄さがある。
切符の一枚一枚に鋏を入れてた時代は、改札口の手前と向こう側で様々な想いが渦巻いてた。
だから、改札はその間に挟まる重要なキーワードになっていた。
改札手前の想いは、改札の向こう側でその思い通りになるとは限らず、だから傍目で見れば面白味があった。
こうしてみると、何事も便利になればいいと言うものじゃないらしい。

この曲の“切符”とか‟プラットホーム”という言葉を聞くと、そんなことを思い出す。
そこに五月雨なんて、今の時代では考えられそうもない言葉がまとわりついてくる。
確かにこの曲には味があった。
昭和という時代の味わい深い味で、今聞くと古さもあるけど、キチンと物語を織りなす言葉がリズムよく並べられている。
甲斐バンドもセカンドアルバムというより、セカンドシングルでその存在感、立ち位置がしっかり出てきたという意味では重要な曲だったんだろうと思う。
この曲が書けたことで、これから進もうという道も見えてきて、そういう曲がまるで演歌のようにロングセラーとなったところに甲斐バンドがやろうとしたロックという意味が見え隠れしてる。

BIGGIGに参戦した時、会場の同じブロックで知り合った女性が同郷ということもあってしばらくの間、いい友人関係を築けたことがあった。
その女性がとにかくこの曲が好きで、、、いろんなウンチクを聞かせてもらった思い出もある。
あの女性、結婚と同時にその付き合いもプッツリしてしまったけど、今頃どこでどうしてるんだろうな。






たわごと~光と影4

光と影

「光と影」

この曲は大森さんの作曲だった。
甲斐が詞を書き、大森さんがメロディをつけたのか、その逆なのか分からないけど、両者お見事の曲だね。
物事には表と裏がある様に、全てに光が差し込むわけでもなく、闇だけでもない。
光と影になる部分があるわけで、光を浴びるその裏には影ができる必然がある。
要するに光と影は一つのセットであるわけで、万物全てがそういう関係にある。

♪ 喜びと悲しみは背中合わせ いつも並んで座ってる ♪
とはそういうこと。
ただ、こういう当たり前のことを知るのは十分に思いやるということが出来なければ気づかないことだし、まだ二十歳そこそこの若者が気づくことじゃない。
こういう詞を書けただけでも、スゴイことだなと思うけど、歌いこなしも本来の味が出ていて印象が残る。
大森さんはギタリストだけあって、ストリングスを意識したような曲をつけた。

この曲の出た時代はエレキを使おうとする頻度が強かったものの、技術が追いついていなかった時代。
そのエレキを意識することなく、いわばアコースティックの魅力で曲を構成しようとしてた意気込みが名曲を生んだともいえないだろうか。
アコースティックとは言いすぎの感が強いけど、弦楽器の魅力、それが妙に印象を深くしてる。







たわごと~東京の冷たい壁にもたれて25

東京の冷たい壁にもたれて①

「東京の冷たい壁にもたれて」

望郷の世界。
それも福岡から上京した甲斐バンドの背景のなせる魅力の一つだろう。
少なくともニューヨーク三部作が発表されるまでは。
いや、「HERO」のヒット前までかもしれない。
東京という街は、もともと純粋に東京生まれなどという人は少なく、周辺地域か地方にその根っこの一端がある人が無意識に背伸びして作り上げてる街だから、望郷の念というのは誰にでもあるものかもしれない。
甲斐バンド12年が東京への上京物語としたら、「東京の冷たい壁にもたれて」や「ポップコーンをほおばって」という曲はその原点たる曲ということになるだろう。

特に東京という街をあえて意識したことはないけれど、何をやるにしても時の流れが速い。
速い流れの中で生きてると、いつの間にかそれが分からなくなる。
特に上京してくる人はそれに気づくけれど、生活してると気づかないものかもしれない。
ふと、故郷に帰るなりして東京に戻ってきた時に気づくことが多い。
そこで望郷となるんだろうけど、それは件の生活での一つの落としどころだろうと思う。
そして思うんだよね。
時に寄りかかれる壁のようなものが欲しいって。

「東京の冷たい壁にもたれて」を知った時、そこに気づかされたような気分になった。
田舎から出てきた者の宿命なのかもしれない。
でも、それはとても大事なことのように思えて、この曲には感謝してるんだよね。







たわごと~ポップコーンをほおばって25

ポップコーンをほおばって①

「ポップコーンをほおばって」

この曲はアマチュア時代に書かれた曲だけど、それがプロ仕様に手入れされてセカンドアルバムの1曲目に収録された。
原曲は出だしがゆっくり目で、突如転調するという甲斐の書く曲の特徴がよく出ていた。
プロ仕様に手入れされたのは正解だったし、当然のことだった。
ボクこの曲については以前書いたけど、BIGGIGでのこの曲との出会いがなかったら、何も起こらなかったはず。
良しきにつけ悪しきにつけ、時に甲斐バンドに触れてたけど、ライブでのこの曲の演奏がなかったら、、、

アマチュア時代に書かれたこの曲で全国大会に優勝し、プロデビューとなっていったけど、自分に秘められた可能性を信じて書かれた曲のようにも感じる。

♪ 僕等は飛べない鳥じゃなかったはず 翼を広げたらきっと飛べたんだ
 僕らは飛べない鳥じゃなかったはず 君は翼があることを知ってきっと怖かったんでしょう ♪

このフレーズにはその可能性を感じて、今も昔も曲の魅力を出していると思ってるんだけど、甲斐が秘めてた可能性はバンドを組むことで更なる開花を見せようとしていたと思うし、始まりの始まりはこの曲にあったと思う。

曲の秘めてる可能性とドライブ感、それがこの曲を歌う、演奏することで甲斐バンドがバンド足りえる道を歩こうとしていたのに、若かった甲斐のボーカルには甘さがあって、そこに目が行ってしまったのがデビューだった。
セカンドアルバムでこの曲を最初に入れることで、改めてスタートを切ったということなんだろうけど、誰しもが同じことを思ったと思う。

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たわごと~アルバム『らいむらいと』2

らいむらいと①

甲斐バンドファーストアルバム『らいむらいと』

のちにこのアルバムはアーリー甲斐バンドと称されていた。

初期中の初期、この頃の甲斐バンドって甲斐バンドであって甲斐バンドではない。
まだ、メンバー寄せ集め状態の甲斐よしひろバンドだったと思う。
ボクのように、かなり後年になってから遡る様にこのアルバムに行き着くと、かなりの違和感を感じるだろう。
特に甲斐よしひろのアマ時代の曲に触れたいとも思わないけど、そうした曲を選んで一つのアルバムにしてみたらこんな感じになったというものと、アマ時代の曲たちを見て敢えて同じような路線の曲を集めてみたというところがあったと感じる。
プロとしてデビューを控えた連中が何を思うかとういうのは二の次。
所属プロダクションが甲斐バンドをどういう目で見てどういう感じで送り出すのかというものが見えるような気がするけど、それは大きな間違いだった。
甲斐をはじめとしたメンバー個々の想いを踏襲しなかった部分が大きいけれど、どう踏み出していいのかわかってないメンバーも聴かれても困るような戸惑いが大いにあったことと思う。
後年、こんなはずじゃなかったという想いを吐露してたけど、何をどう現していったらいいのかわかってない連中だったはずだから致し方ないところがほとんどだった。

このアルバムを聞いて甲斐に何を感じるのか、後年甲斐バンドに何かを感じこのアルバムに遡った時では想いは天と地ほど違う。
こんなはずじゃなかったとは、甲斐バンドだけではなく、聴き手でもそう思った者が多かったはずだというところが正直な想いだった。
ヒヨコが歩き始めたようなアルバムということなんだけどね。



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たわごと~吟遊詩人の唄 (One Man Band)3

吟遊詩人の唄

「吟遊詩人の唄 (One Man Band)」

この曲はカバー曲であることは言わずもがな。
でも、詞の一つ一つがフォークロックのミュージシャンの根幹、いわゆる根っこだね。
誰から見てもおんぼろのギターには、その持ち手の気が籠っていて、そのギターで奏でる音をベースに何処へでも行く。
そんな感じかな。
ただ曲調が軽く、まだ曲をカバーし、カバーするに値する意味を十分に理解してはいなかった感も強い。
だからファーストアルバムに収録されているんだけど。

この曲のシングル化は、この曲が発表されて数年後のライブからだけど、『らいむらいと』は甲斐バンドであって甲斐バンドでないような素振りを見せながら、曲として取り上げられることもあったんだと思うと、貴重な曲かもしれない。
この曲で歌われる心情は、いつになっても変わることなく、それが根幹としてあったからこそKIFIVEのライブでも取り上げられることがあった。

ここがスタート中のスタート。
そんな気もする。





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