嘘-たわごと

懐かしき甲斐バンド、甲斐よしひろを振り返りながら、時を思う

たわごと~ブラッディー・マリー24

ブラッディー・マリー①

「ブラッディー・マリー」

酒の名を曲のタイトルに持ってくるところが、如何にも甲斐らしい。
この「ブラッディー・マリー」の後にもいくつか出てくるけど、どれも印象的。

この曲のサウンドは歌謡曲っぽいけど、リズムとテンポが良くて妙に気に行ってるね。
その割に、ロッキュメント以外でライブに取り上げられたことを聴いたことがないのは不思議な感じがする。

「ブラッディー・マリー」は、16世紀のイングランド女王、メアリー1世の異名に由来するといわれ、メアリーは即位後300人にも及ぶプロテスタントを処刑したことから、「血まみれメアリー」 と呼ばれ恐れられていたということがあるんだけど、そうした酒の名の由来みたいなものもきちんと曲の中で踏んでいることが素晴らしい。

トマトジュースとウォッカをベースにしたこのカクテルは、甘いイメージの中に毒というか苦みを感じるところにポイントがあるけれど、それを脳裏に残って仕方のない情愛と結び付けているようで、甲斐の言ってた恋愛のドロドロ感もここまで昇華してたと思うと、どこかたまらないものがある。

この曲で表現される世界は、どこか昭和の時代を感じるけど、それをいい感じのアップテンポとまとわりつくメロディが旨い具合に調和されて、知る人ぞ知る名曲の一つになってると思わせられる。





たわごと~きんぽうげ5

きんぽうげ①

「きんぽうげ」

♪ 暗闇の中 抱きしめても お前の心は逃げてく ♪
男から見た離れていく女の感情なんて甲斐には書けない世界だな、と思ってたら、この曲を書いたのはベースの長岡だったということがあった。
長岡の書く世界の曲って少なく、独特のものがありながらパッとしないイメージもあったけど、「きんぽうげ」は別だった。
ただ男が女に触れて感じたことを、、、ということかもしれないけど、独特の繊細さがあって味があって。
ここにメロディをつけたのは松藤だったけど、ドラムはともかくメロディは絶妙のものがある。
「きんぽうげ」のアルバム収録のものは原曲であって、いくらでも応用が利くと言うものじゃなかっただろうか。
おとなしめの曲の出だしは、ギターの入りが印象的であった。
ギタリストの腕の見せ所だろうと思うけど、その証拠に大森さんや田中一郎、甲斐ソロ第1期の北島、KAIFIVEの田中ヤッチ、ソロ第2期での鎌田ジョージ。
すべて曲の出だしで各ギタリストの特徴が出て、曲の全てを彩っていく。
甲斐バンドの曲でありながら、どの状況でもギタリストの腕次第で様々な世界が描かれて行くのが嬉しい曲でもある。

それもメロディありきではなく、詞の作り出す世界が若干ダーティで独特なものがあるからメロディが生きていくといった感じで、これはもう立派な名曲だと思う。

甲斐バンドではライブオープニングで使われることが多かったみたいけど、アンコールにおける最初の曲という位置づけもあった。
ギタリストの腕の見せ所を居いきなり見せつけるという効果を狙ったかもしれないけど、それは当時情緒あふれる世界に特徴のあった甲斐バンドならではの曲であったということになるだろうと思う。

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たわごと~そばかすの天使4

そばかすの天使

「そばかすの天使」

もともとは内藤やす子用に書き下ろされた曲というのも言い得て妙な気分だけど、確か新宿ゴールデン街で飲んでた甲斐が、タクシーのシートに腰を下ろそうとしたとき、不意に作られた曲だったと思う。

まさしく、喧騒感漂う街の中にあるスナックのような酒場の一角で描かれたようなドラマ感あふれる曲。
喧騒に紛れてしまっては見逃してしまいそうな一つのシーンは、ドラマティックな物語を描くには面白く感じたエッセンスの一つだった。
多人数で飲む、一人で飲む。
いずれの場合もあたらないこの見る目は、当時の甲斐の目の行き模様を物語っているようで実に興味深い。

この物語に出てくる16の娘は、そうだとは気取られないように背伸びして、でもやっぱり歳相応の子供で、大人の世界に顔を突っ込みたくなる衝動が、その娘の悲劇を生んでしまったというところかな。

アルバム『この夜にさよなら』の先行シングルでもあったこの曲。
前作と比べてもかなり歌謡曲っぽくなってるサウンドは、実はこの曲を演じるには路線が違ってたような気がしてる。





たわごと~最後の夜汽車5

最後の夜汽車

「最後の夜汽車」

ライブアルバムを初めて聴いたのは「100万ドルナイト」。
このアルバムに収録されている武道館ライブには行ってないけれど、アルバムのおまけの1曲のようについていたライブシングルがこの曲だった。
肝心のアルバムより、このライブシングルの方が心に響いてきた記憶は未だの残ってる。
その時の演奏とテンポが良かったからだと思うけれど、如何にもライブに心血を注いできたバンドだという詞は当然のように演奏模様とリンクしていた。

この曲で歌われている‟ボク”って誰のことなんだろうと思う。
田舎に残ったのは甲斐の当時の彼女であって、夜汽車に乗って田舎から離れていったのは甲斐だったことは容易に想像できるけど、この曲では逆説的に歌われている。
“ ボクが淋しいって言ったら あの人はバカね ってそっと微笑った ”
なんていうフレーズは、幻想的で甘美な世界だけど、逆説的に詞を書くことで際立たせようとしていたのかもしれない。

この曲はヒット曲にそれほど恵まれず、ライブ活動とアルバム制作に軸を置いて地道に活動していたバンドの心情を歌ってるようで、実は男女の官能の世界を幻想的に作り上げていたのかもしれない。

でもね。
アルバム『この夜にさよなら』収録の曲よりもライブで聴いた方が効き目がある曲なんだと思うよ。

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たわごと~アルバム『ガラスの動物園』3

ガラスの動物園

アルバム『ガラスの動物園』

甲斐は大都市と格闘してたのかもしれない、そんなイメージがつきまとうアルバム。
この当時、つき合ってた彼女にささげたアルバムらしいが、田舎から上京した若者が、名を上げるため大都市の中でもがく姿と心情が溢れているアルバムだと思う。

自分の今おかれてる位置、そんなものを確かめながら、それでいて、恋人たちの甘さと苦さを感じさせつつ、溢れる才能とメロディがこれでもか、と表されているような気がする。

アルバムジャケットが秀逸だった。朝靄の中、甲斐バンドのメンバーが、それぞれの位置を確認し、大都会に戦いを挑もうとする。そんなイメージだった。

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たわごと~ゆきずりの風3

ゆきずりの風

「ゆきずりの風」

この曲が、アルバムの最期に収録されているのは最もな位置に置かれてるということからも、曲自体が誰かに向けて歌われているのではなく、甲斐よしひろという書き手に向けられているということになるだろうと思う。
アルバム『ガラスの動物園』自体が、当時の彼女に向けて作られているのなら、もう一人の主人公は甲斐そのものだから、当然の帰結だったのかもしれない。

詞を読んでると、詩の世界のようで物悲しく、どこか頼りない。
けれど、未練タラタラながら一歩踏み出そうとしている姿が見て取れる。
最後のサビを構成するメロディと歌われ方でなんとなく落ち着いていくのだけれど、この手の曲にしては珍しく余韻を感じていたいという曲。

フォークあがりのアーティストには必ずこの手の曲があるけれど、甲斐に関してはこの曲かと思いきや、、後年また別世界を織りなしながら2,3曲出てくるところが言ってみれば面白い。





たわごと~悪いうわさ5

悪いうわさ 

「悪いうわさ」

初期甲斐バンドの楽曲では、かなり好きだったこの曲。
若い頃の恋は、成就しようが一歩通行だろうが、思い入れが深ければ深いほど、相手の影はつきまとってくる。
いい意味でのつきまといならそれもいいんだろうけど、そうでなないと・・・
恋の成就加減と相手の想い、それに自分が思い浮かべる偶像のようなものは、始末が悪い時が結構あったりする。
この辺りに恋愛のドロドロ感があるんだろうけど、その模様も人によりけり。

この曲の2番の歌い出し、、、

♪ 思い出という名の 酒を無理に飲み干して
 二杯目の孤独という 酒を注いだとき
 グラス越しに見えたのは 一つの横顔 ♪

3番の歌い出し、、、

♪ 夜汽車の汽笛が 今日も遠くですすり泣く
 ほんの小さな倖せ それも忘れてしまった
 一人じゃ淋しすぎ 二人じゃ辛すぎた  ♪

得も言われぬ喪失感。
別れを迎えた二人の心には、それがあったということが実に見事に描かれているように感じて、、、

この曲は多分そうしたことと、ギタリスト大森さんのギターワークを想定して作曲されたんじゃないだろうか。
この曲が発表され、しばらく「ダニーボーイに耳をふさいで」に流れていく様はライブで定番となっていたのはその名残の副産物だったような気がする。
自分はこの流れを体験することは出来なかったけど、甲斐バンドが甲斐バンドたる所以の一つがこの流れに隠されていたように思うな。






 

たわごと~あの日からの便り2

「あの日からの便り」

アルバム『ガラスの動物園』が、甲斐がアマ時代から付き合ってた彼女のためのアルバムなら、いきなり達観し、当時の想いを美化して書いたような曲で、それこそ福岡という地方都市と東京という大都会の微妙な距離感を念頭にものなんじゃないのかと思った。
ライブアルバム『サーカス&サーカス』で「7月の便り」として収録されているのはこの曲で、歌い出しのところがそのまま何故かタイトルにされてしまってる。

演奏とかアレンジ、間奏のギターワークにロックとしてのエッセンスがあるのかもしれないけれど、印象としては郷愁感のある立派なフォークソングというイメージが強い。
甲斐バンド初期では、こういう曲がそこかしこと転がってるけど、ロックを志向してフォークを貶していた割にはこういうフォーク臭たっぷりの曲があったりする。
個人的には『英雄と悪漢』のイメージが甲斐バンドのスタートという具合に思っていたから、この曲のようなものは良いと悪いとに関わらず、甲斐バンドという枠には入ってこない。
郷愁と童謡が結びついちゃった感じがして、甲斐のやろうとした方向にハマらないんだよな。





たわごと~男と女のいる舗道3

男と女のいる舗道

「男と女のいる舗道」

なんとも印象の薄い曲だった。
今でもそうだけど。
この曲はアルバム『ガラスの動物園』の先行シングルだったんだけど、この曲をシングル化した意味が分からないまま、ここまで来ちゃったんだよね。
アルバムの中での収められた位置もよかったし、シングル化されていたと気づかなければ、フォーク調の感じのいい曲として覚えていたのかもしれない。

別れた男女が、男の目線からそのシーンを顧みたところでこの曲を書いた意味はなくなってたようにも思える。

♪ いつまでも曲がり角で すごそうなんて 時が許しちゃくれない ♪

このフレーズは、甲斐バンドの位置とその姿勢を現わしてるな。
男女の別れのワンシーンに甲斐バンドが置かれる位置を重ね合わせてるという感じは、古いフランス映画のワンシーンのようでもある。

男女の分かれったって、それは甲斐自らの体験で、それは自らを切り取ってということかもしれないけど、どうももうひと押しが弱くてこの曲がシングル化された意味が分からないというのはそういうことなんだよな。






たわごと~やせた女のブルース4

やせた女のブルース

「やせた女のブルース」

ジャジーなブルースだね。
甲斐がアマチュアだった時代の他のミュージシャン仲間の曲をカバーしたと聞いてる。

普段は気にも留めないけど、時折思わずこの曲に触れると妙な気分になるね。
甲斐らしい曲じゃないけど、似合ってると言うか・・・
大森さんが初めて甲斐の歌うシーンを見た時、こいつは本来ブルースシンガーみたいなことを言っていたということを思い出すんだ。
後にもブルースっぽい曲はいくつか出てきてるんだけど、初めて位のブルースがカバーというのも妙だけど、プロアマ問わず、いい曲を覚えていたもんだと思うよ。

デビューする前から付き合ってた彼女との別れ、決意みたいな路線を経て、落とし穴にはまらないようにしないと、、、特に都会ではね、と思った矢先にこの曲でその辺りを描きたいと思ったのかもしれない。

これはバンド形式よりもアンプラグドで演奏した方が味がうまく出るね。

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